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20230417 日記318 令和5年度 417の日(スフィアファンとしての感想)

令和5年度 417の日、1回目の公演に参加させて頂きました。

このライブ、夏川さんのことを好きなのと同時に、スフィアのファンでもあるものとして、とても大きなものをもらったように感じたので、感想を残しておこうと思います。

夏川椎菜さんのライブに参加するのはPre-2nd、MAKEOVER以来3回目になります。

夏川椎菜さんの楽曲とライブに対しては、自分なりに常に心して立ち向かっていたのですが、応援しているというよりは、一緒に戦っている(と思いたい)人という距離感で、ファン(ヒヨコ群)という言葉に自分を含めるのは何となくおこがましいような気もしていた。

なので、いつも一般受付でチケットをとり、後方の座席で感情を震わせ、込められた想いを全力で受け取りながらライブを楽しんでいました。

この417の日は夏川椎菜さんのファンイベントという認識だったので、どうしようかな……と思ったのですが、中止になったミュージックレインフェスの再現を匂わせる告知と、月火休みの俺にとってはありがたい開催日程、千葉県に引っ越したことなどが重なり参加させて頂くことになりました。

ミュージックレインフェスにはいなかった『スフィア』

市原市民文化会館の会場に入ると、流れていた客入れのBGMが寿美菜子さんの『I wanted to do』でぶち上がってしまう。

その後も『春風 SHUN PU』『ユメシンデレラ』『パレイド』『Regeneration』『光のフィルメント』『courage』『初恋の絵本』『それでも願ってしまうんだ』が流れていって、開演が迫るにつれて、会場に「何を歌うんだろう」というソワソワした空気が満ちていくのを感じる。

開演時刻5分前くらいに『Q&Aリサイタル』が流れた時、その期待感が弾けるように、観客席からBGMに合わせてコールが起こる。

『Now loading…SKY!!』にもそれは続いていって、夏川さんのイベントなのに、自分がこれまで足を運んできたイベントから続いている時間のように感じて、嬉しい気持ちになった。

1曲目、夏川さんがミュージックレインの事務所までの道を歩く演出を交えながら『HIGH POWERED』を歌う。

俺にとっては、10年以上聴いてきた大好きな楽曲で、たくさんの楽しい思い出が詰まっていた楽曲だったので、イントロを聴いただけで脊髄反射で声が出てしまう。声出しOKで良かったぜ。

コロナ禍、寿美菜子さんがイギリスへ留学したこと、戸松遥さん、高垣彩陽さんのお二人がご出産されたこと、いろいろなタイミングが重なったこともあったけど、もう3年近くスフィア4人の歌をライブで聴けていなかった。

ミュージックレインフェスティバルが仮に開催されていたとしても、高垣彩陽さんご出産のため、スフィアとしての出演は無かったのだけど、この令和5年度417の日で、夏川さんはスフィアの楽曲を1曲目に選び、全アーティストの中でスフィアの曲だけ2曲歌ってくれたのだ。

仕方のないこととはいえ、最近はスフィアとスフィア4人のソロの音楽活動が止まってしまっていることに少し寂しさも覚えていた。

でも、曲を聴いただけで、理屈を感情が超えて、身体に染みついた想いが一気に蘇るようなあの感覚は、やっぱり俺にとってスフィアの曲でしかあり得ないのだということを確信する。

同時に、俺だけではなくて、会場の多くの人たちが完成に湧いて、夏川さんのTシャツを着た周りのファンの人たちも、お馴染みのイカダンス(※侵略!イカ娘第2期は2011年のアニメ)の振りコピをしたりしていた。

このライブは「ミュージックレインのスタッフの皆さんもたくさん観に来ている」と夏川さんが話していた。

夏川さん(あるいは製作スタッフが)意図したものかどうかは分からないけど、俺は「スフィアまだやれるんだよ!」「みんな待ってるんだよ!」ということを、後輩の夏川さんがリスペクトを込めて証明してくれたように思えた。

スーパー声優という業

ミュージックレインの1~3期生たちは『スーパー声優』(何周かしてめちゃくちゃ面白いネーミングに思えてきた)としてオーディションで選ばれている。

スフィアの4人『声優』としては既に円熟の域に達していて、いちファンとしてはこれ以上臨むものもなくなっているのだけど、ユニットとして、ソロとして『スーパー声優』としての音楽活動を通じて4人のことを大好きになり、4人のことを知っていた者として、やはり音楽活動が止まってしまっているのは片手落ちのようには感じてしまうのだと思う。

例えば、YouTube動画の企画なども、この『スーパー声優』としての活動が回っていてこそのものであって、音楽活動の代替になるものでは無かったのだと思う。

スーパー声優というのは、歌って踊れるアイドルのような女性声優という新たなスタンダードを示したのと同時に、時間の経過と共に、ミュージックレインに宿命づけられたとしての性質も出てくるのかもしれない……。

同時に、だからこそ、やっぱり音楽活動しかないんだよ、音楽活動を待っている人はこれだけいるんだよともファン側からは感じてしまった。

今回のセットリストを横並びにすると、やっぱりスフィアの楽曲に対する観客席のコールだったり受け止め方は独特で、良くいえば歴史がそのままの形で残っていて、悪くいえば前時代的でグルーヴ感を損なっているところもあるように思う。(これはフェス系のイベントにスフィアさんが出た時に、結構前から感じていたことでもある)

その上で、慈善事業ではないので、数値とか、売上とか……って話は切実にあるのだろうけど、古くても、期待より売れなくても、自分たちがやってきた音楽を貫き通すしかなく、それだけの歴史をここまで積み重ねてきたからこそ、貫き通した先の景色を期待している人はきっと思ってるよりもたくさんいて、それこそがスフィアにしか出来ないことなのではないのかとも思う。

この後、4月22日のオフラインイベント、5月3日の豊崎愛生さん&寿美菜子さんのソロライブと動き出すので、とても楽しみにしております……。

歴史と未来、その受け渡し。

イベントの話に戻ります。(脱線しすぎじゃない?)

ミュージックレインの事務所を模したステージセットに出社してきた(恐らく)2022年7月下旬の夏川さんが、ミュージックレインフェスの中止を知らせるメールをみて、ミュージックレイン研修生(観客たち)の前で、1人でミュージックレインフェスのセットリストを再現するという筋書きで始まる。

誰のせいでもないという前提の上で、ミュージックレインフェスは夏川さんの新型コロナウイルス感染をきっかけに延期→中止となった経緯があったことから、言わずともそのリベンジという意味も含まれていたのだと思う。

このイベントの開催をきっかけに、ミュージックレインの楽曲を聴き直して「本当に個性の塊だ」と思い直したという夏川さん。

夏川さんのカバーはどれも自分の歌い方に寄せるのではなく、楽曲と歌唱者に対するリスペクトに満ち溢れていたのがとても印象的だった。(麻倉さんのオタクに徹していた『Fanfare!!』を除く)(←超良かった。あれが最大級のリスペクトの形なのかもしれない)

俺は、スフィアのライブで高垣彩陽さんがソロの楽曲を披露する時、みんながペンライトを下ろして聴き入る静寂の時間が大好きだった。

今日、夏川さんが披露した『月のなみだ』も、ライブの中で全く同じ時間になっていたことに驚かされた。

スフィアの2曲目『MOON SIGNAL』は、先日3期生ちゃんのイベントでも披露されたという話で、誰かが一人で歌うMOON SIGNALを観るのも初めてだったけど、身体が勝手にステージ上の4人目のところで振りコピしていた。

自分に寄せた歌い方を選ばなかったのは、これがミュージックレインフェスの再現ライブだったからなのだろう。

どのパフォーマンスにも、楽曲の向こうに、もともと歌ってきた人の姿が見えて、その楽曲が積み上げてきた時間までステージ上に顕現させたようなパフォーマンスだった。

そんな芸当をこなせてしまうのは、ミュージックレインを見渡しても夏川さんしかいないのだと思う。

俺はTrySailさんの活動と、3人のパーソナリティを深く知っているとはいえないのだけど、夏川椎菜さんは、雨宮天さん、麻倉ももさんという強烈な個性に囲まれた『持たざる者』なのではないかという大変失礼な感触を抱いていた。

同時に、私個人が夏川さんがどうしても気になっていたのも『持たざる者』だからだったので、ブログから読み取れる自分に少し自信が無いところや、周りの人や起こった出来事を文章として魅力的に表現する能力、それが彼女の魅力であり個性のようにも感じていた。

この『持たざる者』という表現はかなり失礼だし、そこから確立されていった今の姿を見たら、とてもそんなことは言えないのだけど、それでも、そのまっさらなところからスタートしたからこそ、他の人のことを誰よりも良くみていて、その空気までもを再現することが出来たのだと感じた。

そして、最後に披露した戸松遥さんの『Baby Baby Love』は、14歳の夏川椎菜さんが、ミュージックレインのオーディションで歌った曲だという。

カバーの中でも、この曲だけは、14歳の夏川椎菜さんでも、戸松遥さんでもなく、今現在の夏川椎菜さんの歌唱だったように思うし、それこそが、このライブ全体を通した意味のようにも思った。

たとえ会えなくなっても、たとえ歌われなくなっても、音楽と共に生きてきた時間は消えずに心の中に残り続ける。

どれだけ新しくいい曲が生まれたとしても、クラシックが淘汰されることなく生き続けているのは、その時に感じた人々の感動と熱狂が受け継がれてきたからこそなのだと思う。

そして、それを最も直接的に刻み付ける方法がライブなのだとも。

ミュージックレインイジりも愛があるからこそめちゃくちゃ面白かったし、始まりの『Baby Baby Love』へ至ったことで、一つのライブとしても美しい構成になっていた。

1期生たちという歴史へのリスペクトと共に、2期生である夏川さんとTrySailの3人が歩んできた道を示して、3期生たちという未来へのエールとバトンを渡す。

ある意味、ミュージックレインという特別な事務所の中で、先輩でも後輩でもある夏川椎菜さんだからこそできたライブだとも感じました。

余談

一番最初に書いた通り、俺はスフィアの4人のファンで、豊崎愛生さんのファンなのですが『こえ部』という同人活動を通じて知り合ったファンの人たちをきっかけに、2期生さんたちのライブにも参加するようになりました。

そのファンの人たちと話して、その魅力を知っていくうちに、自分の楽曲やライブへの理解や思い入れも深まっていった時間があります。

IDOLY PRIDEのアニメがそんなにハマらなかったこともあって、3期生ちゃんたちを追うことは流石にないだろう……と思っていたのだけど、彼女がIDOLY PRIDEのことを好きで、出会った頃に話題を作るためにIDOLY PRIDEの楽曲を聴きまくっていた(あまりに不純な動機)こともあって、今日、夏川さんが『月下儚美』を聴けてめっちゃ嬉しかったという話もあります。

スフィアと豊崎愛生さんは、基本的に他社の中に主体があった俺が、初めて自分で出会えて、自分で好きになった人たちなのだけど、そのスフィアとの出会いの先に、2期生、3期生の楽曲を好きになっていったそれぞれに違う時間があって、受け取る側の中にも勝手に歴史は紡がれていくのだろうとも思いました。

その勝手な歴史こそが、ミュージックレインの音楽を長らく聴いてきた中で受け取った、何よりもかけがえのない何かだとも思っています。

自分の血がミュージックレインで出来ていることを思い出され、それを思い出させてくれたのが、スフィアの4人ではなく夏川椎菜さんだったことがとても嬉しく、夏川さんのことをもっと凄いと思い、尊敬することになった日でした。

とりあえず、久しぶりにスフィアの楽曲を声出しありで聴いて、身体がなまり切っていることに気づかされたため、ちゃんとフルライブに耐えうる身体に戻しておこうと思います。(スフィアきっかけじゃないと運動しない男)


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