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マイ村運動会 レポート

夏休みに自分たちの村を自分たちで作る「マイ村キャンプ」を開催したNPO法人SEVEN SEEDSが、また新しいイベントを行いました。それが「マイ村運動会」です。

非常に面白いイベントとなりましたのでレポートします。

はじまり

そもそもこれは、夏休みのキャンプを終えた子供たちがオンラインで交流を継続し、今度集まって何をする、という話をするところから始まります。

「今年は緊急事態宣言で小学校の運動会が中止になっちゃった。」

「私も・・・」

「残念だよね。」

「じゃあさ、今度集まるときに、キャンプじゃなくて運動会しようよ!」

この一言ですべてが変わりました。

これを聞いた、われらが山村先生(SEVEN SEEDS代表 以下、やまむー)が言いました。

「じゃあさ、何をするかから考えてみようか。」

その後、3回のオンライン打ち合わせを経て、子どもたちが自分たちで実施する競技を考え、10月3日にキャンプを行った場所でマイ村運動会が開催されることになりました。

子どもたちが考えた競技は5つ。大人に準備を依頼したいものは事前にリストアップされ、自分たちで用意できるものは持ち寄って当日を迎えました。

でも、大人たち、思ったよりなにもすることはなかった。運動会ってなんか先生たちが頑張ってる印象があったけど、こんなもんだっけ?ぜんくんが草刈りしてくれたり、テント用意してくれたりはしたけれど。

やまむーとぼくは子どもたちがどんな失敗をしでかしてくれるんだろうとわくわく(にやにや?)見守ります。

直前の打ち合わせの様子。

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話してる内容は意外としっかりしてる。安全の配慮も考えてるみたい。そしていよいよ始まります。

第一競技 石積み

始まりました。子どもたちが考えた一つ目の競技はなんと、「石積み」。地味じゃないか、大丈夫か?

ルールは簡単で、川から3分以内に石を集めてくる。次の3分以内で石を積み、時間が来た時点の石の高さを競う、というもの。3つのチームで競い合います。

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やってみたら、めちゃめちゃ盛り上がってる!!

はじめは順調に積むけど、高くなってくるとだんだん不安定になってくる。残り30秒でもう一つ石を乗せようとしたためにせっかく積んだ30cm以上の石が崩れてしまい、結果が10cmになってしまったり。一人ではないからどの辺でストップをかけるのか、みんなの意思疎通も必要。

勝負は3回行われることになり、3回の積んだ高さの合計で順位を決定することになりました。この辺、やりながら決めてく感じも新鮮で面白い。

最初はうまくチーム内で連携がとれずに崩してしまっていたチームも3回目はすべてのチームが30cm以上を積み上げて終わるという成果に。隣のチームの状況を見て、次を積むかの判断をする役まで誕生し、最終結果の勝利チームは大歓喜!競技の中ですでに成長が見られました。ほんとに予想以上に盛り上がった第一競技でした。

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第二競技 重量当て

二つ目の競技も石です。今度は、始めに目標の重さ(例えば5kgなど)が発表され、だいたい1kgの石のサンプルをもとに、目標の重量になるように石を集め、制限時間がきたらその重量を測り、重さが目標に、もっとも近いチームが勝ち、というゲーム。

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これも地味じゃないのか、と思ったけど、これもやはり3回勝負で、3回目になると、それまでの重量の結果から手持ちの石のそれぞれ重さを推測し始め、足し算引き算で最後の最後にほぼ目標値どおりの値を出すチームがでるなど、思いのほかの知力戦となりました。やばい。見てるだけでもすごく面白い。

その後、広場に石があると走った時にケガするかもしれないから石は川のほうに戻してね~、と自分たちで声がけしていたのもいいなあ、と思いました。ここまでやったらちょうど12時。みんなおなかもすいてきたのでお弁当タイムとなりました。

第三競技 宝探し

お昼ごはんを挟んで、午後に行われたのは、数か所に張り出されたクイズを解き、最終的な正解を答えるまでのスピードを競う宝探し。

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これは準備が一番手間がかかってそうな競技でした。ネタを仕込んで各チームで用意ドンで、みんなポイントに走っていきました。別ポイントの様子は見れていないので、競技の状況はあまり知らないんだけど、準備時点で企画側が楽しませようとがんばっていて、すごくいいなあとみていました。運動会の割に体力勝負だけじゃなくて、頭を使う競技が多いのはいろんなタイプの子に活躍ポイントがあっていいよね。

第四競技 借り物競争

やっと、走る競技が出てきた。子どもたちが用意した折りたたんだ紙を引いて、開いたところに書いてある「もの」を誰かから借りて、広場の木を一周してゴール!というもの。なんか素直に「物」を書いたものは少なくて、だいたい「人」が選ばれてた。(そもそも、山の中で物も少ないしね)、「自分がかわいいと思う子」とかだれでも選べそうなあいまいな記載だったみたいで結構盛り上がってた。人気者は何度も借りだされて一緒に走るという競技。人気者はつらいね!
僕は出番なしでらくちんだったよ!!(その時かなり端っこにいたからね、きっと話しかけずらかったんだね。そうだよね。)

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第五競技 川歩きレース

今回の目玉競技。川の上流から歩いて渡れる範囲で下流に設置されたロープまでの到着順を競う。3チームで一人ずつ走って順位を競っていく。10月で朝晩は寒くなってきたけど、当日は暑いぐらいだったからちょうどよかったかな。濡れちゃうから、着替えが入るし寒いといけないし、何番目にするか結構話し合ったみたいで、結局最後に。

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これはだいたい想像通りだったけど、大人としては転んだり怪我したりが心配だった。でも、子どもたちから、怪我をしないように軍手を付けるとか細かなルールが決めてあって、誰もけがすることなく競技を終えることができました。深くても腰までぐらいまでしか水はないんだけど、転びかけて、全身で水にダイブ!というシーンは何度かあってみんなで笑いあってました。濡れたくない、と言ってた人ほど飛び込んじゃうのはお約束。

当然ながら、このあとちょっとの間、みんなで水遊び時間があったようです。風邪ひかないように。

結果発表

こうして、最後にそれまでの得点を合計して3チームの順位発表!となりました。得点版もなく、クリップボードの紙で集計していただけで、順位や得点にこだわってた子はいないけど、やっぱり勝ったチームはうれしいよね。

閉会式というのも特になく、こうして、キャンプ後の第一回イベント、マイ村運動会は終了したのでした。

思ったこと

僕として衝撃だったのは、運動会ってのは大人が準備してあげないと、ってイメージがずっとあったから、子どもたちだけでこんなにルールにのっとってちゃんとした競技が運営できるんだってのにすごく驚いた。あとは、自分たちが楽しいと思える競技を考えてやろうってことなので、みんなが納得して楽しめている気がした。当日だけじゃなくて、準備も含めての楽しさもあるよね。少なくとも、今まで見てきた運動会とは印象が180度違うものになった。子どもたちが大人に仕切られてやってる印象はゼロだし、だからといって、大人が「しっかりやろうぜ」なんてことは一言も言う必要がないほど、自分たちで必要なことを理解して動いてた。

これを見ちゃうと、運動会の開会式と閉会式の校長先生の話って本当に必要なのかなって思っちゃったり、先生が準備に走り回ったり、大声出して張り切ってるのって本当の意味で子どもたちのためなのかな、といろいろ感じるところがあった。SEVEN SEEDSの子どもたちの理想の状態が、決して夢物語ではなくこうして実現可能なものなんだと、改めて感じることができる会になりました。

(レポート終わり)

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