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保護者の方に読んでほしい、マインクラフトとは何なのか?

マインクラフトのどこがおもしろいのか、ちょっとやってみたけどまったくわからないという保護者の方が多いのではないかと思うので、解説したいと思います。

マインクラフトの特徴を3点あげて説明します。

1.シナリオはない

2.学びが必要

3.成果が出る


1.シナリオはない

ゲームを始めたときに何もミッションは与えられません。大人が何も考えずにゲームを始めてみるとこれでまず詰まります。
魔王を倒せ、とも、何かを作れ、とも、何も言われないんです。
じゃあ、ゲームは止まってるのかというとそうではありません。始めた瞬間から時間は流れはじめ、なにもしないと、周りは暗くなってきて夜になり、得体のしれないものが周りから襲ってきて自分は死んでしまいます。はじめてやってみると、なんだこれ、となります。どこが面白いんだ?となります。

マインクラフト、という名の通り、(mine)鉱山を掘るように地面を掘ることができ、掘った土を積み上げたりできます。(craft)入手した素材を利用していろいろなものを作ることができます。
これは現実よりも相当手軽にできるようになっています。あっとゆうまに地中深く掘り進めたり、高く積み上げたりできます。そして、やっと気づきます。これだけのことができればなんか作れそうだな、と。
でも、気づいたころにまた夜になります。襲われて死んでしまいます。(笑)

ただし、死んでしまっても、集めたアイテムはなくなりますが、また近くに生き返ってやり直すことができます。

2.学びが必要

始めたばかりでは、マインクラフトの世界で生き抜くための知識がありません。夜になるとなぜ襲われるのか、どうしたら身を守れるのか。
実はゲーム内の「遊び方」には、そこそこ細かく情報が書いてありますが、ゲームをスタートしてもゲーム内で誰かが丁寧に教えてくれたりはしません。あまりにも情報が与えられないので自分で探しに行きます。どうしたらいいかを知ろうと思い、学びます。
実はこれが重要です。子供たちが自分で知ろうと思って得た情報でなければ、意味がないのです。
さらに、ゲーム外、インターネット上のページや動画にはもっと多くの情報があります。マインクラフトの世界のルールは直感的にわかりやすく、現実世界をうまく模擬する形でできているので、一度覚えれば、大体のルールは把握できます。そうやって、自分で仕組みや方法を学び、進めていく必要があるゲームです。
ここでも大人は思います。遊ぶのに準備がいるなんて面倒くさいな、と。(笑)

3.成果が出る

最初はなにも持ち物がないため、素手で作業します。ゲームの中でいろいろなものを掘ったり、壊したりすると素材が手に入ります。そして、素材をそのまま使うだけでなく、組み合わせると様々な便利なものが作れるようになっています。丸太→材木→ドア、のように得られた素材から次々と新しいものが作れます。

手に入れたもので例えば身を守るための家を作ろうと思ったとします。でも家を作るためには素材がたくさんいります。そこで素材をもっと手に入れなければなりません。時間がかかるので、最初は穴を掘ったような家ができるかもしれませんし、人によっては襲われないように木の上に家を作るかもしれません。

一つ何かができるとやはり不満がでてきます。狭い、入りにくい、形が悪い、などです。マインクラフトでは自分のやりたいことに好きなだけ時間をかけることが許されたゲームです。制限時間はありません。世界の時間はやっていることに関わらず進んでいきます。
やりたいと思ったこと、何かが一つ達成されたらそれが成果になります。自分の思い通りに素材をあつめ、それを使い、物が作れるのです。これは現実の世界ではなかなか難しいことです。そうしていくうちに危険で大変な生活がどんどん快適な生活に変わっていきます。

マインクラフトでは、やりたい、と思ったことが非常にやりやすく、簡単な目的であれば簡単に達成できるようになっています。でもそれこそが遊びであり、楽しいのです。苦労せず与えられたものではない、自分で作ったものだからです。

・その後

そのあとは、もう大体ご想像の通りです。
子供たちはこの3つのプロセスを勝手に始めます。目的がないから自分で考える。その方法を調べる。作って成果がでる。もちろん失敗することもあるでしょうが、それも立派な楽しみのプロセスです。さらによりうまく作業を進めるためのテクニックが多く用意されているのです。でも、それも自分で調べないと分かりません。


こんな素晴らしいゲームですが欠点があります。

大人には成果が見えにくいことです。
絵をかいたり、LEGOブロックで何か作ったりすれば、大人がどれほど大変かが想像でき、「おお、すごいものをつくったなあ」ということができます。
マインクラフト上で作ったものは、実物ではないので、画面内でしか見れない上に、プレイしたことのない大人が見ても、どこが大変なのか、何を子供が生み出したのか、どこがすごいのか、(何処までがゲームで用意されていたことで、どこまでが子供の力なのか)が分からないのです。

例えば、子供が頑張って作った家を、お母さんに、みてみて、と見せたとします。
お母さんは、小さな家があるな、ということはわかります。でも、きっと子供が言わなければ、自分で作ったとは思わず、ゲーム内でもうできていた家を子供が見つけてきて、それをみせているんだ、と勘違いするでしょう。

「ねえ、これのこの部分を私はこうやって作ったのよ、すごいでしょ!」というのはアニメとかドラマとか、説明用の作り話です。ごくふつうの子供たちは、ただ、「ねえ、これみて!すごいでしょ!」とだけ言うのです。

でも親も忙しいですから、ゲームで見つけた、たいしてすごいとも思えない家をいちいち見せられてもうれしくありません。「そんなことやってないで、勉強でもしたら?」、となります。ちょっと悲しいですよね。

僕はマインクラフトに熱中する子供がいたら、ぞんぶんにやらせてあげて欲しいと思います。
それは、絵を毎日白紙の画用紙にかいているのと同じだからです。絵を毎日描いていて怒られる、というのはあまり聞いたことがありません。違いはやっていることが大人が理解できるかできていないかの違いだと思います。もちろん、家庭内のルールは設けて、ご飯の時間にはやめる、夜はやらない、とか、守らなかったら時間を減らす、とか決めると良いと思います。

でも、マインクラフトは親が想像しているような時間つぶしのスマホゲームとは大きく違います。さっきも書いたように、画用紙にその日思いついた絵を描いているような、そんな遊びなのです。毎日すごい絵はかけないし、大したことない絵しかかかない日もありますが、しょせん遊びの一つなのですから、好き、と思えることをやれるのが子供のためかと思います。広い心で見守っていただけたらと思います。


最後に、どれほどマインクラフトが「いじわる」(=リアル)なのか、を紹介します。

001ベッド

ベッドです。まずこれがないと「寝る」ということができず、夜の間、無駄に起きて過ごさないといけません。

003動物

野生に動物がいます。時間がたつと自分はおなかが減って、どんどん体力が減り、やっぱり死んでしまいます。生き残るためには動物を狩って食料を手に入れなければいけません。もちろん、養殖すれば毎回狩りに行くよりらくちんです。

004木

まず最初に多く必要となる便利な材木を入手するためには木を切る必要があります。手だと効率が悪いので斧を用意するとよいです。

斧以外にも、マインクラフトの中にはスコップ、ツルハシ、クワ、という道具があってそれぞれの素材に会った道具を使わないとうまく作業できません。

002農業

食料を用意する方法は動物だけではなく、植物を育てることもできます。しかも土地さえあれば動物を育てるよりも効率がいいのです。でも、水と日光(明るさ)がないと育ちません。骨粉を入手して撒くとさらに成長を早めることもできます。農業を始めればもう食料に困らず、やりたいことに専念できます。

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移動距離が長くなってくると便利なのが「馬」です。馬も野生にいるものを捕まえて手なずけることができます。移動スピードが速く、暗くなる前に遠くまでいくことができます。

006花壇

慣れてきたら花壇を作ってみたりしてもいいでしょう。花壇はおなかも膨れないし、生きるためには不要ですが、美しい、という利点があります。

どうです?これがマインクラフトです。めんどうくさいでしょう?(笑)

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