漫才 「映画とか作りたい」


ミミ吉   「ミミ吉です」

ハナゾウ  「ハナゾウです。お願いします」

ミミ吉   「自主制作で映画作りたいんだけ     
       どさ」

ハナゾウ  「すごいね。映画作るのって大 
       変そうだけど」

ミミ吉   「そうなんだよね。お金もすご
       くかかるし。だから映画は諦め
       て漫画作ることにしたの」

ハナゾウ  「漫画だったら映画よりはお金
       も労力も少なく済むからね」

ミミ吉   「いざ描き始めたら、俺目茶苦茶   
       絵が下手だったの。だから漫画
       は諦めて小説書くことにしたの

ハナゾウ  「小説は絵描く必要ないからね」

ミミ吉   「いざ書き始めたら、俺全然文章
       力なかったの」

ハナゾウ  「あらら…」

ミミ吉   「そもそもさ、こういうの作るの
       って人生経験必要じゃん」

ハナゾウ  「そうだね」

ミミ吉   「俺、人生経験何もないからさ」

ハナゾウ  「あららら…」

ミミ吉   「全部諦めて一生懸命生きる!」

ハナゾウ  「絶望はしてなかった!」

ミミ吉   「映画も漫画も小説も楽しむ事に
       徹する!」

ハナゾウ  「明るいのは結構だけど、少しは
       努力を覚えろよ」

ミミ吉   「多大な労力と時間とお金が掛か
       たった作品を、ポテチと緑茶を 
       手に楽しむ!」

ハナゾウ  「一応健康には気使うんだ」

ミミ吉   「横になって見るぞ~!」

ハナゾウ  「何の宣言だ!」

ミミ吉   「そして目茶苦茶批判してクレー
       ム入れてやる!」

ハナゾウ  「やめとけ」

ミミ吉   「お茶が苦すぎるって」

ハナゾウ  「お茶のクレームかい!」

ミミ吉   「お茶が苦いことについて、2万
       字くらいのクレーム入れてやる」

ハナゾウ  「ほぼ論文じゃん」

ミミ吉   「賞とる」

ハナゾウ  「何?」

ミミ吉   「素晴らしいクレーム文章書いて
       コンテストで賞とる」

ハナゾウ  「え、クレームの文章を評価する
       コンテストがあるの?」

ミミ吉   「俺が作る」

ハナゾウ  「無いんだ。そしてさ、主催者が
       賞とるって八百長のニオイする
       けど大丈夫?」

ミミ吉   「クレームで金稼ぐぞ~!」

ハナゾウ  「誰がクレームに金出すんだ。貰
       えるのせいぜいお詫びの品くら
       いだろ」

ミミ吉   「お詫びの品転売して金稼ぐ」

ハナゾウ  「働けや!」

ミミ吉   「脅して高額なお詫びの品要求す
       る」

ハナゾウ  「捕まるぞ」

ミミ吉   「捕まる」

ハナゾウ  「捕まんのかい!」

ミミ吉   「容疑認めてブタ箱入る」

ハナゾウ  「てか『一生懸命生きる!』って
       言ってたのどうした?全然一生
       懸命じゃないし、元気も無くな
       ったし」

ミミ吉   「刑務所で、他の独房の人とお泊  
       まり会する」

ハナゾウ  「出来んのかな?囚人同士でお泊
       まり会なんて」

ミミ吉   「出所したら漫画を描く!」

ハナゾウ  「元気取り戻した!」

ミミ吉   「刑務所漫画を描く!」

ハナゾウ  「もしかして、人生経験を得る為
       にわざと捕まる様なことして刑
       務所入ったの?」

ミミ吉   「そうそうそうそう!」

ハナゾウ  「凄い元気だな…てか何でわざわ
       ざ刑務所の人生経験選んだんだ
       よ」

ミミ吉   「囚人服オシャレ~!」

ハナゾウ  「どこがだ!上はまぁ分かるよ。
       ボーダー柄の服は普通に売って
       るし。下しましまはダセェよ」

ミミ吉   「頑張って漫画描くぞ~!」

ハナゾウ  「でも、絵下手なんでしょ?」

ミミ吉   「薔薇なら描けるから、登場人物
       全員薔薇にする」

ハナゾウ  「なんちゅう漫画だ!そして何で
       薔薇だけは描けんだよ」

ミミ吉   「昔、ビジュアル系バンドに憧れ
       てたから、薔薇とか、骸骨とか
       髑髏とか、憂鬱とかの絵練習し
       て描けるようになった」

ハナゾウ  「普通漢字を書けるようにすんだ
       よ」

ミミ吉   「え?」

ハナゾウ  「薔薇とか、骸骨とか、髑髏とか
       憂鬱を漢字で書けるようにすん
       の。絵描けてもしょうがないん
       だよ」

ミミ吉   「そうなの?」

ハナゾウ  「でさ、憂鬱の絵って何?見た事
       ねぇよ」

ミミ吉   「山火事の絵」

ハナゾウ  「憂鬱どころじゃねぇよ!」

ミミ吉   「取り敢えず、やる気のある内に
       漫画描き始めるわ。作業着もあ
       るし」

ハナゾウ  「漫画家の作業着?」

ミミ吉   「囚人服持ってきた」

ハナゾウ  「捕まるぞ!」

ミミ吉   「だってぇ~、欲しかったんだも
       ん」

ハナゾウ  「そんなに欲しいか?」

ミミ吉   「ハロウィンに本物の囚人服着て
       たらテンション上がるじゃん」

ハナゾウ  「あがんねぇよ!」

ミミ吉   「でもさ、その囚人服、袖口がほ
       つれてんだよね」

ハナゾウ  「だから何だよ」

ミミ吉   「クレームの手紙書いて、新品と
       交換してもらお!」

ハナゾウ  「はい、再逮捕~」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?