創作怪談 「七夕」

 七夕の日、短冊に願いを書いた。

『霊感を手に入れて、死んだ爺ちゃんに会いたい』
笹に飾ろうとした瞬間
「心配しなくても見守ってるぞ」
耳元で声が聞こえた。辺りを見回しても誰も居なかった。

 それ以来、毎年七夕の日には、短冊にあの時と同じ事を書く様になった。
「心配しなくても見守ってるぞ」
あの声を聞く為に。爺ちゃんが近くに居る事を確認する為に。
 

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