ひとりごとです 「深夜のオーケストラ」

 深夜の自動販売機が好きです。理由を聞かれても上手く答えられませんが、強いて言えば“エモい”からでしょうか。(エモいの意味も良く分かりませんが…)

 常に電気が点いていて夜道をほんの一部照らし続けている物もあれば、お金を入れると電気が点く物もあります。後者の方は、急に明るくなるから“うっ”てなるんですよね。だからといって嫌いという訳ではありません。むしろそっちの方が好きです。“バンッ!”と照らされるスポットライトの様で。(正面から照らすスポットライトがあるか!というツッコミはなしでお願いします)

 深夜の自動販売機は音が良く響きます。街のほんの一部だけに。

 小銭を入れるときの“チャリン”という音

 お札を入れるときの“ウィーン”という音

 ボタンを押すときの“ピッ”という音

 ドリンクが出てくるときの“ガシャコン”という音

 お釣りが出てくるときの“ジャリンジャリン”という音

 そしてプルタブやキャップを開けるときの“プシュッ”という音

 当たり付きの自販機なら“ピピピピピッ”という音も聞けるのでお得ですね。

 昼間に聞くと街中の雑音の1つなのに、深夜に聞くと妙に落ち着く。何故かと聞かれても理由は上手く答えられません。強いて言えば“エモい”からでしょうか。(part2)

 深夜の自販機が奏でる音を『深夜のオーケストラ』と名付けてみました。もちろん指揮者は私です。そして、自販機の周りに集まる虫がお客さんってことで。冬は毎日無観客ですね。ただ、夏だと小さなクワガタを見かけることが稀にあります。そんな時はちょっとテンションが上がって、いつもは130円のを買うのに、その時だけ160円の物を買ったりします。
 基本的に虫は苦手ですが、自販機と私が奏でる深夜のオーケストラを聞きに来たと思えば気になりません。お客さんは無下に出来ませんからね。(ただし、蛙は一生出禁にしたい。お前だけは来るな!)

 ちなみに、いつから深夜の自販機が好きになったかというと、小学校低学年の頃です。小学生の時は月に1、2回のペースでおばあちゃんの家に泊まりに行っていました。おばあちゃんの家では「パン」という名前の猫を飼っていて、パンは外に散歩に行くのがとても好きでした。特に夜中になるとウズウズし始めます。夜中にパンの
「にゃ~にゃ~」
という声で起こされます。なので私は
「ばあちゃん、パンを散歩に連れていってくる」
と。するとおばあちゃんは
「1人じゃ危ないから、ばあちゃんと一緒にね」
と。私がパンを抱っこして散歩に出るんです。それが楽しくて楽しくて。小学生の頃の自分にとっては深夜に起きてるというだけで気分が上がるのに、加えて外に出るわけですから。そして、散歩ルートの途中にある自販機でおばあちゃんが飲み物を買ってくれました。その時に見る自販機はいつもと違って見えました。輝いているし、綺麗な音を出すし。それ以来深夜の自販機に不思議な魅力を感じる様になりました。

 皆さんも深夜のオーケストラの指揮者になってみてはいかがでしょうか。『めっちゃ楽しい!』という訳ではありませんが、人生の楽しみの1つにはなるかと思います。 

 
 最後まで読んで下さりありがとうございました。読みづらい文章や誤字脱字があったらごめんなさい。

最後に一言

冬の深夜に飲むおしるこは絶品

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