【開催報告】寄付月間2021オンライン交流イベント~今年、どんな寄付をした?~ 2021年12月22日(水)夜・オンライン
寄付月間の公式イベントとして、寄付をしている人同士の交流の場を開催しました。寄付者でも他の方がどんな寄付をしているのか、情報交換したり、話し合う機会はあまり多くないと思います。寄付文化を盛り上げていく寄付月間として、今回始めて、寄付をしている人を対象にした交流イベントを企画・実施しました。
2021年の寄付事情について振り返りつつ、寄付について積極的に発信をされている寄付者の方をトークゲストにお迎えして、寄付への思いや寄付を行う時のルールなどをお聞きしました。その後、参加者のみなさんで、2021年に行った寄付について語り合いました。自分の寄付について語り、他の方の寄付についてお話しをお聞きすることは貴重な機会になったと思います。寄付をしている人同士だからこそ、気兼ねなく、寄付を話題に話しをすることは楽しいひと時でした。
一年の終わりに、自分の寄付を振り返って、他の方の寄付を学んで、来年の寄付について考える時間となりました。今回は、寄付月間共同事務局・事務局長で、キフクリエイターを名乗り、様々な寄付の事例を収集している山田泰久が企画・運営・進行しました。
寄付月間2021オンライン交流イベント
~今年、どんな寄付をした?~
【日 時】2021年12月22日(水)19:00~21:00
【場 所】オンライン開催(Zoom)
【参加者】10名
【主 催】寄付月間共同事務局
1.話題提供セッション
「2021年の寄付シーン」 寄付月間共同事務局
話題になった出来事をもとに2021年の寄付シーンを振り返りました。
話題提供:寄付月間共同事務局 事務局長 山田泰久
①新型コロナの寄付
・2020年に比べると新型コロナ関係で寄付を集めるケースはやはり少なくなった。
・先日発行された寄付白書2021年によれば、2020年に新型コロナ関連の寄付を行った人の割合は8.7%。想定より低い数字だった。
②Youtuberと寄付
・これまで影響力のある寄付と言えば、芸能人による寄付だったが、最近はYouTuberによる寄付が注目を集めることが増えてきた。
・ヒカキンさんの取り組みは好事例。2021年8月にYouTubeチャンネル登録者数が1000万人を突破したことを記念して新型コロナウイルスの医療支援として1000万円の寄付を行った。当初は突破記念で1000万円の予算で企画を行う予定だったが、そのお金を寄付に回した。
その後も、YouTubeチャンネル「ヒカキンTV」の登録者1人増えるごとに10円を募金することを宣言。12月の時点で1030万人の登録になり、これだけで300万円の寄付になる。
https://www.youtube.com/watch?v=0ushxXt51Vo
昨年の新型コロナの時にもYahoo!基金と連携し、新型コロナの医療支援の募金を受けれいる基金を立ち上げ、自身も1億円の寄付を行った。
③新しい寄付のプラットフォーム
ここ1年くらいに始まった新しい寄付のプラットフォーム
solio | ジャンルを選んで寄付をする
https://solio.me/
dim.(ディム)|1分で簡単に寄付できるアプリ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000019739.html
「READYFOR 継続寄付」β版
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000227.000031325.html
kifutown | 個人間の寄付プラットフォーム
https://www.kifutown.com/
アプリ miles
https://www.getmiles.com/jp
メルカリ寄付
https://www.mercari.com/jp/help_center/article/978/
④寄付白書の話し
・12月17日に寄付白書2021が発売!
新型コロナを機に寄付額1兆円越え。政府への信頼度低下、20代の寄付増加など新傾向が出現。【寄付白書2021発刊】~拡大する寄付市場、ふるさと納税除く寄付額も過去最大に~
2.トークセッション
「これまでの寄付体験と2021年の寄付」
趣味のように寄付をしている人をトークゲストに迎えて、これまでの寄付体験を教えていただきながら、2021年に実施した寄付やその思いについてトークをしていきました。
今回は2部構成で、前半は、ご自身の寄付ライフを積極的にブログ等で情報発信を行っている下山俊一さんをゲストにお迎えして、じっくりお話しをお伺いしました。後半は、参加者の中から、山田が主宰する寄付者の集い「ギビングクラブ」の常連の南さんと安井さんにお話しをお伺いしました。
トークセッションでは、主にこんなことをお聞きしました。
・ふだん、どんな寄付をされているのか?
・寄付をするようになったきっかけ
・寄付で心掛けていること、意識していること
・寄付していることを周囲にどう伝えている?
・寄付して変わったことはある?
トークセッション①
下山俊一さん
麻布不動産鑑定事務所代表・不動産鑑定士
仕事のかたわら続けていた投資がきっかけで、社会課題やNPOへの関心が高まる。現在、子どものサポートや国際協力分野など8つのNPOに継続寄付中。日本サステナブル投資フォーラム(JSIF)会員。ブログで長期投資や寄付について発信中。
セルフ・リライアンスという生き方
下山さんは10年ほど前から寄付を始めて、本格的に寄付をするようになったのは6,7年前からとのこと。現在はマンスリーの継続寄付を8団体、その他にクラファンや継続して支援をしている団体の特別なプロジェクトに都度寄付をしているそうです。
寄付を始めた経緯は投資から。長期投資を行っている投資会社が寄付の仕組みを行っており、そこからいろいろなNPOに出会って寄付を行うようになる。長期投資を通じてよりよい社会を作っていくことと、NPOへの寄付を通じて社会をよくしていくことも同じ感覚というお話はなるほどでした。
下山さんが支援先の団体を選ぶ基準として、顔の見える団体、代表が何を考えているのか話しを聞いてから寄付を決めるそうです。そして、自分で寄付するだけでなく、ブログやSNSでその団体のことを発信して、みんなに知ってもらう機会を作ることも意識しているそうです。
寄付は、自分の代わりに活動してくれる誰かにお金を託すということも納得のお話でした。
ご参考までに、過去に下山さんがNPOのイベントに登壇されて、寄付について語っている記事をご紹介します。
トークセッション②
南さん 安井さん
お二人は、ギビングクラブという、寄付をする人たちのオンライン交流イベントの常連の方です。このイベントは、山田が月1回主宰しているものです。
南さんは毎月1000円のマンスリーサポートで寄付をしている団体を毎年1団体ずつ増やしていくという寄付をされています。また、NPOへの寄付をするようになってから、ご自身でも活動をするようになり、こども食堂を運営していたりします。南さんも、下山さんと同じく、寄付をする際には団体やその代表のお話しを聞くことが大事と話しをされていました。
安井さんは関わっているNPOへの寄付の他、クラウドファンディングやマンスリーサポーターの寄付をされているそうです。過去の寄付を振り返ると、自分の思いを再確認できるというお話はなるほどでした。プロボノとして伴走支援をしている団体のマンスリーサポーター制度の寄付者にもなるという体験のお話もステキな取り組みでした。
3.交流セッション
イベント後半に実施した交流セッションでは、40分間、参加者のみなさんでじっくり寄付についてお話しをしました。
それぞれ自己紹介をしていただいたのち、はじめての寄付からこれまでの寄付、2021年の寄付のお話と、寄付ライフについて教えていただきました。みなさん、それぞれの寄付スタイルがあって、楽しい時間となりました。
他の寄付者のお話しをお聞きする機会はあまりないので、とても貴重な時間となりました。
新型コロナの関係で医療従事者に対する支援がある中で、今度は医療従事者がお礼の意味も込めて企画した花火打ち上げプロジェクトに対する寄付や、行けなくても訪ねられるインターネット上の図書館のプロジェクト、子ども達に絵本を贈るブックサンタプロジェクト、学習支援を行っているNPOにAmazonを通じて参考書を購入して送る取り組み、図書館に本を寄付するプロジェクト『マチブック』など、本をテーマにした寄付の取り組みをみなさんに紹介していただきました。
若い人に気軽な寄付のきっかけづくりを目的としてバースデードネーションに関する気軽な相談会を実践したり、ご自宅で不要になったものを無料で提供するガレージセールの取り組みなども話題に出てきました。
本当にいろいろな取り組みがありますね。
交流セッションの最後は、2022年の寄付ライフ・寄付スタイルの目標について、みんなでシェアしました。
4.感想シート・タイム
最後に、みなさんに感想シートに記入していただき、本日のイベントの感想をシェアしました。
・自分の寄付行動が、自分の中にある過去の経験と心情に基づいていることを改めて実感できました。
・毎回思いますが、寄付の形やその裏にある思いなど本当に様々です。話を聞いているだけで楽しく、そして自分自身の寄付スタイルを見直す参考になります。
・団体の変化により自分自身の寄付の かたちも代わるというのが興味深かったです。
・いろいろな寄付の形があることを知ることができました。
・自分がして欲しかったことをしてくれる団体に寄付をするなど、今後の寄付の楽しみも増えました。
・代表者の話を聞くことは大切であると感じました(気づくことができました)
・自分の原理原則(代表者と話す)はやっぱり大事。
・今年はコロナ禍でもあったので、ボランティア等に参加はきませんでしたが、来年はマンスリーサポーターの検討や直接足を使ったボランティアにも参加できればと改めて思いました。
・みなさんそれぞれ寄付に対する考え方や価値観があって面白いなと思いました。一方で、自分の代わりに活動してくれる誰かにお金を託す、という点は共通しているのかなとも思いました。
・下山さんのおっしゃっていた投資の延長上にある、という話はしっくり来ました。若い世代と話していてもお金のもつ意味、力も変わってきている気がします。
オンラインでのイベントですが、2時間に渡り、寄付について語り合う充実の機会となりました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
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