メディバンペイントで漫画を描きたい同人初心者3・8bitレイヤーの怪

はじめに


10月からメディバンでシコシコ描いていた4コマ漫画は11月の初頭に無事に脱稿することができた。(本来の締切よりかなり早い日付に、手帳に「締め切り」と書いていたのが功を奏したように思う)
個人誌を出すために引き続きメディバンを使い原稿を描いたが、現時点で「8bitレイヤー」および「1bitレイヤー」の使い方やわかったことをメモしていこうと思う。

メディバンペイントは「スマホ・タブレットから600dpiのモノクロ原稿を出力できる無料ソフト」という同人初心者にはありがたいソフトなので、この記事がこれから使い始める人の助けになれば嬉しい。

(ほぼ個人用のメモなので読みづらいと思います。すみません。)

メディバンペイントにおけるレイヤの種類について


メディバンではレイヤーの設定を「カラーレイヤー」「8bitレイヤー」「1bitレイヤー」に切り替える事ができる。(デフォルト設定はカラーレイヤー)
モノクロ原稿PSDやJPGに書き出すときにグレースケールに一括変換できるので、線画・塗り・文字いずれもカラーレイヤーのままで特に支障はないように思うが、「8bit」および「1bit」にはそれぞれ特色とメリットがある。

8bitレイヤーの特徴


①8bitレイヤーは「ハーフトーン一括変換」機能が使える

メディバンにはベタ塗りした部分をハーフトーンの濃淡に変換してくれる「ハーフトーン一括変換」という機能があり、「モノクロ原稿」と指定のあった漫画を描いていたときは、当初この機能の使用を検討していた。

モアレ(トーンの重ね張り・原稿の縮小に伴う意図しない柄の出現)を防ぐ為に線数・角度を一括で調節できる「ハーフトーン一括変換」を使えば手軽そうだと思ったためである。

そして、ハーフトーン一括変換を使用するにはレイヤー設定を「8bitレイヤー」とする必要がある。

いざ着色レイヤーを8bitに変換してみると……着色レイヤーの一部が消えてしまった。より正確に書くと、「白」に近い明るい色でベタ塗りした部分が消えてしまった。

画像1

↑これが

画像2

↑8bitレイヤーに変更するとこうなる


Twitterで検索したところ、8bitレイヤーには以下のような仕様があることがわかった。

②8bitレイヤーは「白=透明」として扱われる

「白」はR255:G255:B255に近い色の便宜的な呼び方として用いる。
カラーレイヤーを8bitレイヤーに変換すると明るい色ほど不透明度が低くなり、下のレイヤーが透けて見えるようになる。この為、消えてしまったように見えたようだ。

そして、「カラーレイヤーから8bitレイヤーに変更するとき、レイヤーの不透明度は選択色の明度に依存する
」というもう一つの仕様に気づいた。8bitレイヤーに変換するときは、そのときの選択色を黒(R0:G0:B0)にしてから操作をするとある程度明度が高い(白に近い)部分が残る。


レイヤー名の横の歯車マークを押し、そこからカラーサークルを操作して明度を調節することもできる。しかしほぼR255:G255:B255に近い白は透明になってしまうようだ。逆に言えば消したい部分を白で塗れば透明色/消しゴムに切り替える必要がないので、線画に適したモードかもしれない。

8bitレイヤーからカラーレイヤーに戻しても、透明度がそのまま適用されるので白い部分は保持されない。つまり8bitレイヤーに変換してから白く塗った部分を復元するには、8bit変換する前の段階までアンドゥしたほうがよさそうである。(カラーレイヤーに戻すまでになぜか4~5回アンドゥする必要がある。めんどくさい。)

着色レイヤーで白く塗った部分を残したい場合は「カラーレイヤー」のままにしておいたほうがよさそうである。
どうしてもハーフトーン一括変換した上で白塗り部分をそのまま残して置きたい場合は8bit変換する前に着色レイヤーを複製し、白く塗りつぶした上でハーフトーン変換したレイヤーを重ねるとそれらしく見えるかもしれない。

③容量が小さくなる
タブレットやスマートフォンでの遅延を軽減するためには8bitないし1bitレイヤーを使った方がイイらしい。これを踏まえて、個人で出した同人誌の原稿では

「着色レイヤー・吹き出しのレイヤーはカラー」

「線画レイヤーは8bit」

「コマ枠レイヤー、メディバンペイントの素材レイヤー、『マンガネーム』からインポートしたネームは1bit」

と使い分けた。

結論


そもそも漫画原稿は白紙に人物プラス背景を描き、そこにベタ塗りをしてトーンを貼るのが一般的な手法のはずだ。

しかし背景を描くにあたり線画を仕上げず、背景と人物との着色レイヤーを分けて油絵のようにいきなりべったり塗ってから細部を削る我流の描き方を、そのままマンガ原稿に適用してしまったがゆえの混乱だった。

…という諸々がめんどくさかったのでたぶんこれからもグレースケール主体で入稿すると思う。

参考サイト

これまでのメディバンペイント記事

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