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AGAって何?

AGAはAndroGenetic Alopeciaの略称で男性型脱毛症と訳されていますが、男性ホルモン(の一部)が頭髪の成長を阻害することによる薄毛・脱毛症のことですね。
薄毛の進行の仕方や症状の出る部位でいくつかの分類がされていますが、原因は男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(Dihydrotestosterone:DHT)が毛母細胞の分裂を抑制したり、脱毛を促す作用のあるTGF-β(Transforming Growth Factor β:成長因子の一種)を増やし毛髪が成長できずに抜けてしまうからと考えられています。

そのためDHTは悪玉男性ホルモンなんて呼ばれたりもしますが、DHTというのは活性の高い男性ホルモンで男性の成長(特に一次性徴や二次性徴)に必要なホルモンでもあります。
ただDHTが関連する疾患はAGA以外にも存在して前立腺肥大症(前立腺が大きくなって尿道(おしっこの通り道)が狭くなると尿がしにくくなってしまう)は最も有名な病気の一つでしょう。(フィナステリドやデュタステリドは元々こちらの治療薬でもあります。)

また頭髪に限らず毛の成長には毛周期と呼ばれるサイクルがあります。これは一つの毛穴を時間をかけて観察した時に、毛根で血管から栄養を受けながら毛が伸び続ける成長期、毛根が血管から離れて成長を停止する退行期、毛根が働きを止めている休止期に分けられています。
注意すべきなのはこの毛周期は生きている間ずっと繰り返されるものではなくてサイクルには上限がある点です。(クリニックのHPではサイクルは40回とか60回とか言われていますが、実際にカウントして出てきた数値ではないようです。やや営業トーク的にも思えてしまいますが… ただその根拠になっているのはヘイフリック限界(:細胞の分裂回数には限界がある)のようです。)

AGAの場合は通常2~5年もあるという成長期が数か月で終わってしまうため、太く長い髪がへり薄毛になりますが、サイクルが早く回転してしまいます。つまり症状が進むほど残りのサイクルが減ってゆき、新しい毛が生えにくくなってしまうのです。

また症状としてはいわゆるM字ハゲやザビエルハゲのように、前頭部や頭頂部に生じることが多いです。これには理由があって先ほどのDHTがこれらの部位の毛根(毛乳頭)で比較的多く作られるからと考えられています。
DHTはテストステロンが体内の酵素5αリダクターゼによって変換されたものですが、5αリダクターゼには1型と2型があることが分かっていて、先の部位(前頭部や頭頂部)では2型の5αリダクターゼが多く分布していると言われています。

ちなみに1型の5αリダクターゼは側頭部や後頭部の皮脂腺に多いとされています。

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