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最近のレコード市場について考える

レコードは高くて少ない

レコード、ほんとに高いですね。ワタシが10代の頃、日本盤の新品レコードの値段は2,500円か2,800円でした。それが今では4,400円、約1.5倍以上です。しかもプレス枚数が少ない。これは日本のレコード生産現場が東洋化成末広工場(横浜市鶴見区)ただ一つとなってしまったことが原因と言われています。そこに来て近年のレコード人気、ボーっとしているとすぐに売り切れてしまいます。

去年秋のことですが、椎名林檎のレコード再発初日、予約もせずに仕事帰り「無罪モラトリアム」を求めてショップを回りましたが既に売り切れ。プレス枚数も少ない上に人気タイトルなので当然と言えば当然です。しかし、つい先日見かけたオリジナル盤の価格がこちら。これは有罪でしょ、もっとプレスしなさいよ。

輸入盤の価格高騰が深刻

同じく10代の頃、輸入盤の新品レコードはだいたい1,800円ぐらい、セール品だと980円とかになるので財布の強い味方でした。日本盤に付いている帯(これが今では貴重)、解説書、保護ビニールがなかったりしますけど。あと、開封した時の独特の匂い、あれ何?インクかな。あのヘンな匂い大好きでした。
このかつての財布の味方が、円安の影響もあり、今では約5,000円程度まで値上がりしております。約3倍、もうパッと手が出る値段じゃなくなりました。

レコード冬の時代

価格が高いのに大人気、今でこそ盛り上がるレコード市場ですが、厳しい冬の時代がありました。

1990年代後半、パソコンが一般家庭に普及し、音楽を電子データで聴く時代になりました。ファイル交換ソフトで新曲を手に入れ、ポータブルオーディオプレイヤーで聴く。その新しさ、スマートさから、面倒なCDやレコードによる音楽視聴が廃れました。ワタシもその波に飲まれた一人です。

2000年代に入り、ライフスタイルの変化もあって集めていたレコードを処分しました。2度目の引越しの前、最後の手持ちレコード30枚ぐらいを中古レコード店に持って行ったところ、何と値段が付きませんでした。レコード、全く価値が無くなっていたんですね。このレコード冬の時代、誰が今の盛り上がりを予想できましょうか。

リイシュー(再発)について

処分してしまったとはいえ、やはり大好きだったレコード。高くはないけれど手頃なターンテーブルを手に入れ、処分してしまった作品たちを買い戻す毎日です。

処分してしまったレコードの中には、今となってはかなり価値が出たものがたくさんあります。ストーン・ローゼズ、ニルヴァーナ、オアシスなどの初版レコードたちです。今の高騰、全く予想できなかったです。

そこで助かるのがリイシュー、再発です。
最近ではシェリル・クロウの1stとフィオナ・アップルの再発が嬉しかったです。90年代、元々プレス枚数が少なかったですし、そもそもレコード出さないアーティストが多かったですからね。

あと、〇〇周年記念で再発盤が出たりしますね、あれも助かります。ただ、出し方が気になったりしますね。意匠を突然変更したりとか。スマパンのジャケットアート、どう考えてもこれよりオリジナルが一番いいに決まってますよね。ワタシこれ買ってません。オリジナルでリイシュー希望です。

とはいえ、まだ出すからマシなほう。全く再発しないアーティストもいます。

ゆらゆら帝国です。彼らはレコード一度も再発していません。その結果がこの高騰。もう心が空洞になります。

おわりに

レコード市場が盛り上がる一方、明らかな高騰を見せる昨今、ライブにも行かなければならないことを考えると、きっちり吟味して真に必要なものだけを買うようにしなければいけません。いつも新入荷コーナーで安いのを物色しつつ、「あかんあかん」とグッと堪えています。

ところで、小室哲哉氏の歌詞は女心を上手に表現するので、とりわけ女子からの共感が高いようですね。でも、オッサンのワタシが共感できるフレーズが一つあります。

「冬のポケット リップクリーム」

安室奈美恵「a walk in the park」の一節です。
そろそろ寒くなる時期、厚めのアウターを引っ張り出したら必ず入ってるんです、リップクリーム。肉まんのレシートと一緒に。その時は必要ないのでポッケから出すんですが、乾燥した真冬の時期にポッケにないので、唇を舐めってしまい荒れちゃうんですよね、毎年。

今日も唇を舐めりながら、雪のちらつく中出勤しています。

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