月曜の夜に思ったこと

昨年の11月に、泣いたり笑ったりして大変体力を使う舞台を観た。
その方の描く物語はたいがいそうだ。
痛くて、でも同じくらい笑って、いじらしくて、強い。



その日、私は義実家から名古屋に急いで戻り、ギリギリ開演に間に合った。
お世話になっている作曲家さんに急いで挨拶をし、空いている席を探した。
全席自由席。
大荷物を持ったまま、その荷物の重さで服も着崩れ、鼻息も荒く、若干汗ばんでいる私。なんとか席を見つけると、隣は、半年前に同じ舞台に立ったピアニストのN君だった。
うわ!汗臭かったらどうしよう。

テヘヘ、、、的な気持ちの悪い薄笑いで照れ隠しをして、軽く会釈しながら座った。

幕があがった。


なんと、Yちゃんが主役じゃないか!!

あぁ、Yちゃん、かわいいなー。頑張ってるなー、、、。なんて、かなりほんわかした気持ちで最初は観ていた。
Yちゃんとは、数年前に歌芝居のワークショップに参加した時、講師の方のアシスタント?的な立ち位置で私たちをまとめてくれた女の子。
劇場で出会うと、いつも満面の笑みで手を振ってくれる。
元気で、ハツラツとした、チャーミングで気持ちの良い女の子。

Yちゃんの魅力を存分に発揮した役だった。
初めのうちは、彼女の可愛さと楽しいストーリーにウキウキしながら観賞できた。

途中から、私の涙腺が危うくなった。
大切な命が奪われるシーン。

この日、私の心は弱っていた。

だが耐えた。
息を止めて、鼻の穴開いて、歯を食いしばって、まばたきしないように目を見開いて、涙がこぼれないように、耐えた。
絶対泣かない!!
隣にはN君がいる。絶対に、泣かない!!!

タオルを鼻の下におさえつけ、鼻をすすることも噛む事もせず、垂れ流し状態。
息を吐くと嗚咽となってダダ漏れしそうなので、息を止めてほぼ窒息状態。
あぁもうやめて、、、苦しい、、、いや、やめないで、、、ああぁぁぁ、、、、


そんなこんなでめちゃくちゃな感情をなんとかやり過ごし、クライマックスが過ぎた。

一旦舞台が暗くなる。
何も見えない中で、ポリポリと何かをかじる音が聞こえてきた。
その音の中、再び舞台が明るくなる。

それは食事をしているシーンだった。



うっかりだった。



涙が止まらなくなった。


それはとても明るいシーン。

音を立てて、食事をしているのだ。
そしてたくましく、家族は生活を続けていた。

それがたまらなく、私の胸に響いた。


そう。
日々は続くのである。


どんなに悲しいことがあっても、
どんなにヒリッとすることがあっても、
どんなに辛くて息が詰まりそうなことがあっても、
無かったことにしたい事が起きても、

日常は続く。


お腹は空くし、トイレも行くし、ケンカもする。


どれだけ時が経っても癒されない気持ち。
思い出すだけで嫌な気持ちになる出来事。

せっかく笑顔を絶やさぬようにと心がけても、自分の思惑とは違うことが起きる。その繰り返し。


人は、どれだけの感情を重ねて生きているんだろう。


なるべくね、人を恨んだり、羨んだり、したくない。
なるべくだよ。
しちゃう時はしちゃう。それ、仕方ない。


ちょっと舞台の感想からズレました😅


何が言いたいかって言うと、舞台を見終わった後、隣に座っていたN君に、
『ぎぶさん、変なとこで泣きますね。』
と、ニヤリ顔で言われてクゥー😖となったこと。

N君には、前回の舞台の打ち上げの時、私が声を上げて泣きじゃくったところも見られているのです。
ニヤリとするな!ニヤリと!


きっと誰もが、色んな感情を抱いて生きている。
もちろん、楽しい事も、嬉しい事も積み重なっている。

傷ついたこともあるし、傷つけたこともある。


どこに向かえばいいのか分からなくなる感情。


みんなそうだよ。

だからって、甘えるな なんて言わない。
何に共感し、何に違和感を感じ、何に涙するか。
正解はない。

いじらしくて、強いあなたへ。


なんの説得力もないし、なんの解決にもならん話を、長々と書いてしまいました。

おやすみなさい😌