凡人間

　週に一度くらい更新できたらいいなと始めたnoteが、今日で六回目になった。初めての記事を投稿してから、おおよそ一ヶ月を過ぎたということか。三日坊主にならずに済んで、とてもホッとしている。時の流れって早いねー。

　さて、「毎週一つの記事を書く」ということは、周りから見ているとそれほど難しくなく思えるかもしれない。しかし、書いている側からすると、意外と忙しないんだな、これが。

　この場所は、継続的に何かを書くことを目的に始めた。
　SSのネタが浮かばなくて、書きたいのに書けない。突然、今までどうやって物語を作ってきたか何もわからなくなって、パソコンを前にして途方に暮れる。書きたいのに、書けない。それはとても、もどかしい……というか、無駄に焦る。ここは、そんな時が訪れた時のための、避難所を作っておきたいな……という意味もある。

　物語が浮かばなくとも、いざとなれば、自分を材料にしたら、いくらでもすいすい書けるだろう。
　そう思っていた私は、愚か者である。

　書けまへん。
　正確に言うと、書くことがない。
　書くことがないことを書こうと思ってしまうくらいに、書くことがない。

　ここにしたためることになるのは、日常生活のコラージュやスクラップだ。かつて自分に訪れた奇妙なもの、愉快な体験、忘れられない瞬間。そう言ったものの写真。日常生活のフックを探して、ただぼんやりと時間を過ごさないための手段。

　何かを書くには、何かを考え、探し、発見せねばならない。その習慣化。

　しかし、しかしだね。
　人間の日常生活って、ことこまかく記録しなければならないほど劇的じゃないよ！
　自分を綴ろうとすればするほど、自分という人間の薄っぺらさを痛感し、びっくりする！
　貴様、今まで何を考え、何を思って生きてきたのだ？
　流されやすいとはわかっていたが、ここまでぼんやりしてたとは、私はびっくりだよ！

　いざ何かを書こうと思っても、平坦な日常生活の中では、何も起こらないじゃないか！
　そう思っていた私は、やはり愚か者なのだろう。

　おもしろきこともなき世をおもしろく
　住みなすものは　心なりけり

　偉大な先人の言葉が沁みます。
　日常生活のフックは、実は至る所に潜んでいて、愚かな私がそれに気付けないだけなのだ。
　今だって、勤務の休憩時間にこれを書いているが（勤務態度不良社員）、ふと休憩室のブックスタンドに目をやれば、内容はよくわからないが表紙がめちゃくちゃ素敵な冊子が目に入ったので、手に取ってみる。

　何かを書くことに必要なのは、目なのではないか、と最近思う。
　些細な日常の中におかしみを見つけられる、審美眼。
　朝起きて、三日月の下に並ぶ金星がすごく綺麗に見えたとか、三連休明けの桜の木の紅葉グラデーションが見事だったとか、そういうことでいいんだろう。
　それこそが、いまの私に必要なものな気がする。

　そんな思いで、最近は日常生活を真面目に送ることにしている。
　さて、書くことがない！とまで書いてしまった私が本当に書くことないと沈黙するのは、いつになるのか。
　戦々恐々しながら、私は今日も何かを探している。そんなに安全策を取る自分のことを、かなり面白くない、と自分が呆れて笑っている。

　この記事を投稿しようとしたら、指が滑ってうっかりミスで全カットしてしまった。流石に胃がヒュッとした。

　さてこれを書いている今は、とあるパレードに向かって移動中である。その話もいずれ書きたい。賭けかけ麻雀の話もしたい。当面、ネタがないというネタで記事を書くことはなさそうである。