排泄物、吐瀉物


ハァ〜ッ
ワッショイ!ワッショイ!ワッショイ!ワッショイ!
ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!
ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!
セイッ!セイッ!セイッ!セイッ!

原稿中の私の脳内である。

↑noteの下書きに残っていた文章。
さすがにこれオンリーで投稿する勇気はなくて、1週間空いてしまった。先週の今頃は冬コミ同人誌〆切直前!ということで流石にnoteの文章にまで手が回らなかったんだ。はーん、この軟弱者めィ…。

というのも、このnoteは原稿中の頭の切り替えだとか、ちょっとした休み時間の息抜きだとか、Xやりすき防止だとか、そういう3時のおやつ感覚のお手軽さで書くことを目的としていたのだけど、

さすがに、おやつ食べてる暇がなかったね…。

スケジュール管理が甘かったかな〜とも思ったけど、どんなに早く原稿を進めていても、推敲してたら時間はあっつーまになくなるんだわい…

つらつらっと文章を書いて更新するのはいくらでも可能だったと思うけど、あえてそうしなかった。それには理由がある。

私は何事も勢い一発で行くタイプなので、比較的筆が速い方である。もちらん、他の人の筆の速さを知らないのでなんとも言えないところはあるが。
一度、自分がどのくらいのスピードで物を書いているか計測してみたことがある。

迷いがない時は、30分におおよそ1200字のペースでSSを書いている。まあでも、普段はもう少し悩みながら書くので、だいたい30分/800字が私の平均ペースじゃなかろうか。多分、書くのが物語じゃなければもう少し早い。

小説を文字数で換算することに意味があるかと言われると微妙だが、たとえは30000字の小説を書こうと思ったら、寄り道をしなければ18時間ほど歩き続ければゴールが見えることになる。気持ちよく走れている時は12時間くらい。

まあ、つまり、私は書くこと自体は速いのだ。なのに、なぜ今回(毎回)こんなにギリギリ入稿になったのか。
それは、推敲にかける時間がここ一年で大幅に増加しているからだ。

私はなぜ、今まで超スピードで文章を書けていたのか。それは、雑だったからに他ならない。

同人誌を作ることは、自分の文章と向き合う上で大きな転換点となった。

文章を速くかけると、気持ちいい。
しかし、書いている方の気持ちよさと読んでいる方の気持ちよさはイコールではない。

数年前に、日本を代表する某劇作・演出家のWSを受けたことがある。
私の全力の演技を観たその演出家に言われた痛烈な一言が、今でも忘れられない。

「感情は、排泄物だ。言うなれば、感情はうんこと同じだ。うんこを全力で出して気持ちいいのは、演じている側だけだ」

目が覚めるような思いだった。
演出家が言ったことは、何も芝居に限った話ではない。SSで地の文をつらつら書いてる時に、たまにこの言葉が脳裏を掠めるのだ。

私は、私が書いたSSをうんこだとは思っていない。
けれど、吐瀉物に近い気はしている。

二次創作をすること自体が私にとっては嘔吐に近い。頭の中に次々浮かぶ推しカップリングのあれやこれや。それらを脳内に留めておくと気が狂いそうになるので、とにかく楽になりたくて、出す。
そんな感じ。

どうせ吐くなら、綺麗なゲロがいい。
良い文章を書けるようになりたい理由はそこにある。

私の友達に、虹色のゲロを吐くことで有名なアーティストがいる。嘔吐も、美しければ見せ物になるのだ。

しかし、虹色の吐瀉物は当然人工物である。着色材を飲んでから吐くのだ。そこがポイントだ。ゲロはあくまでゲロなので、ありのままの吐瀉物をお見せするわけにはいかない。そんなものを見せられてもお客さんは困るだけなので、手を加えて調子を整える必要がある。
それが、私にとっての推敲だ。

最初から美しく吐ければ良いのだけど、生憎私にそこまでの技量はない。だからこう……胃の中で整える必要がある。

来年はもうちっと美しく嘔吐できるようになりたいな。

最悪だな、この話。笑

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