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いらすとのーと

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凪沙

#小説

凪沙

凪沙

嘘つき

部屋から出ていく彼を、壁にもたれかかってただ見ている。玄関をあける前に「またね」と言ってキスする、いつものパターンに慣れすぎている。ずっとこのまま、それでいいのか。――それでいいんだって、彼は本気で思ってるんだろうな。わたしも彼も、きっと自分にも相手にも嘘をついてる。彼はきっと何も失いたくないし、わたしもそんな彼を失いたくない。駆け引きでも何でもない、ただ二人ともずるいだけ。靴をはいて、彼はわたしに向き直る。「またね」「ん」長いキス、短い会話、笑顔で見送り。ねえわたしたち、本当にずっとこれでいいんだよね？
    凪沙

    凪沙

    飼うと言ったんなら、さいごまで面倒みてくれなきゃ困るわ。雑に扱うんなら、いつでも噛み付くことはできるのよ。あなた意外と無防備だから。なんて言ってても、べつに逃げようとも思っていないけれど。ねえ、次はなにして遊んでくれるの、ご主人サマ。ぱっと目が覚めるようなこと、したいの。 #小説