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ツボでいきいき-東洋医学よもやま話

001_奧の細道押して旅する足三里

疲労回復には、「三里の灸」が効くと言われる。
全く動けなくなって、足三里に灸をしたら、さらに3里(約12キロ)も歩けたというのが、この言葉の由来というが、これは俗説だ。
中国のツボ解説書によると、膝の皿の下方外側にあるくぼみから、三里の所にあるから、こう呼ばれるようになったらしい。
ここでの一里は、手の親指の横幅にあたる。

わが国では、松尾芭蕉の紀行文「奥の細道」に、足三里の灸が出てくる。
46歳の芭蕉が、江戸・深川の庵をあとにしたのは、旧暦の元禄2年(1689年)3月27日。奥羽・北陸を経て、美濃・大垣に至る約2400キロを踏破したが、
「もゝ引きの破をつづり、笠の緒を付けかえて、三里に灸すゆるより松島の月」の一節を読むと、足三里の灸で、疲れを癒やして旅を続けたらしい。

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足三里の灸は、本当は疲労回復に効果があるのだろうか。
自転車エルゴメーターで、ボランティアに疲労困憊の状態になってもらい、足三里を刺激した。太ももにつけたセンサーで計測したところ、ものの見事に疲労が回復することが確認できた。マッサージや指圧の刺激でも、同様な効果が得られることも分かった。

散歩やハイキング、登山やジョギング、疲れた足に、足三里のツボは一押しである。

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