マガジンのカバー画像

声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY

6
本内容は、2015年5月20日、イノベーションスタジオ福岡『ライフコースのイノベーション』に於いて結成されたSTORYチームのプロトタイプとして収録した、向野義人先生へのインタビ…
運営しているクリエイター

記事一覧

声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY_04

声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY_04

story_04_棲家を探して転々と
中嶋:えーっと、池見酉次郎4)さんですか?
向野:1963年、九州大学(以下、九大)に心療内科が日本で初めてできるんですよ。池見先生はその初代教授です。
心療内科っていうのは、心の持ちようで病気になってしまうというところに注目した医学で、それまであまり手がけられていない領域でした。それを日本で初めて九大が講座にしたんです。
その池見先生の考え方の中に、元々の心

もっとみる
声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY_03

声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY_03

story_03_鍼灸の研究をするまでの道のり
向野:私は、元々鍼灸の研究をしたいと思って医学部を志したんですよ。
中嶋:最初からですか?
向野:はい。
中嶋:えーーーーーー!(驚)
向野:とんでもないことを考えていたんです。(笑)
中嶋:それはいくつぐらいの時ですか? 
18歳の時ぐらい、医学部に入るときとか?
向野:中学生の時に志しまして。
中嶋:鍼灸師を?
向野:いや、私は鍼灸師じゃなくて医

もっとみる
声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY _02

声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY _02

story_02_東洋医学と西洋医学のものの考え方の違い
向野:例えばね、僕はよく「栗むき3例」の話をするんですけど、栗を剥いた3人の患者さんの症例。
中嶋:ほう(驚)。
向野:それは、ある秋に自分の患者さんとして体験したんです。
中嶋:はい? 栗をむく3人の患者さん? 
   それは、どういった前提なのでしょうか?
向野:ははは(笑)
その人たちというのは、1人目は「肩」が痛い、右肩がすごく痛い

もっとみる
声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY_01

声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY_01

story_01_現代医療、西洋医学の中での東洋医学

向野:インタビューにあたり、改めて自分のことを整理してきました。
中嶋:こういうお話しを、どなたかと対談のようなかたちでする機会は結構あったりするんですか?
向野:いやー・・・前やったのは、雑誌:鍼灸ジャーナルくらい。
あとは記憶がないかなぁ。
鍼灸ジャーナルの対談は、鍼灸師でジャーナリストの松田博公氏と私で相当時間かけて行って、その中から必

もっとみる
声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY_00

声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY_00

story_00聞き手 語り手 編集者
語り手:向野 義人(むかいの よしと)
1947年福岡県に生まれ。1971年九州大学医学部卒業。医師免許取得。1977年医学博士。1982年福岡大学病院第2内科講師。1989年福岡大学体育学部(1997年よりスポーツ科学部)教授、福岡大学病院第2内科兼務(東洋医学外来担当)。1990年福岡大学大学院スポーツ健康研究科スポーツ医学専攻修士課程指導教授。2004

もっとみる
声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY_00

声が紡ぎだす あなたに伝えたいSTORY_00

はじめに
2017年3月31日、向野義人先生は28年間の福岡大学スポーツ科学部での教鞭を終えて退官されました。先生の研究室からは、鍼灸師、理学療法士、NATAトレーナー、柔道整復師など医療やスポーツに携わる人材を多く輩出してきました。また、これらの有資格者が先生の教えを請うて門戸を叩きました。本企画者もその一人です。

先生の研究室では非常にユニークな実験が多く、“M-Test/経絡テスト”を用い

もっとみる