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4月のある日:10日目

燃え滾るような気持ちが無くなってしまった。今、そう感じている。

わたしには、Go!Go!とハイテンションでいろんなことを前に進めていく時期と、一人で家にこもって誰とも会わずに過ごす時期がある。それがやぎ座の特徴である。と、しいたけ占いに何度も書かれたせいか、いつのまにか「そうそうそれがわたしの特徴」と信じるようになってしまった。誰にだってそういう部分、あるでしょ?と思いつつも、それがあなたの個性なんですよと他人から言われるのは、なんだか自分を責めたりせずに済むから、良い。

先週までのわたしはなんとか日本に住む人々に一律の給付を…と思い、毎日意見を発信したり、署名をしたり、官邸にメールしたり、本当に忙しかった。

先週、なんとかそれが通った。やっぱり、自分たちが・一人一人が声をあげることは無駄じゃなかったんだ、と喜んだのもつかの間、ここにきてまで世帯主、という意味わからない制限をかける国にほとほと嫌になった。脱力。

たしか給付が決定した日、作家の王谷晶さんが言っていたことがある。該当のツイートがどうしても見つからないので、わたしの意見として書く。

「日本に住む人々に一律の給付を」と求めたこと。それが政治に通ったこと。これは非常に喜ばしい。けれど、ここまでやらないと政治に参加したことにならない、つまり声が届かないというのは、本当におかしい。政治への参加というもののハードルが高すぎる。わたしはこの期間、時間的にも、精神的にも、非常に大きなリソースを割いた。そうしてようやく、声が聞き届けられるか届けられないかの局面に立つことができた。しかしこれは非常に疲れる。家にいたからできたものの、外で働きながら政治に参加することは、体力的に不可能に感じる。同じことを、外で働きながら、あるいは子供を育てながらやれと言われたら、とてもじゃないけどできないだろう。でも、それじゃいけない。政治はまず、おかしいことをまず自らのうちで自浄する力を持つべきであるし、もっと市民の声が聞き届けられる、そういう姿勢であるべきだろう。一人の権力者、それにおもねる一握りの集団だけが得をする。そんな政治はもうやめなくてはいけない。

ていうか得とかダサい。国民の税金で贔屓すんな、下駄をはかすな。全員に等しく機会を与えろ。あんたたちは全員から税金とってるんだから。

先週、気力と言う気力を使い果たしたわたしは、今週は自分に優しくすることしかできていない。つまり雑誌を買って、自分の好きなページに、マーカーで線を引いたり、iPhoneに撮ってコラージュしてみたり。ただ自分の中だけに、美しい世界をつくる。そういう内にこもった作業をして自分を回復させることしかできない。どうにも体力が無い。

ただ、今週から先は、わたしにはできないから、と諦めていたことをやってみようと思う。わたしにはできると信じて。挑戦してみようと思う。トライしてみようと思う。

わたしにはきっとできる。

劇団・少女都市 主宰
劇作家 Mary Yoshi (葭本未織)


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