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2020年11月の記事一覧

最高の贅沢

私は沖縄が大好きで、かつては毎年のように訪れていた。 ある年、石垣島へ行った。 石垣市では「南の島の星まつり」というイベントが行われる。 一斉に電気を消して真の天の川を見ようという趣向だ。 電気が消えた。 初めて見る本当の天の川、満天の星。 あの綺麗さを表現できる言葉を私は未だ持たない。 しかし、星がたくさんある状態に慣れていない私は、 どの星も同じに見えてしまいどれが何座かまったくわからない。 満天の星空は、已己巳己の星空でもあった。 私が幼い子連れだったためか、偶々

【夜間中学へようこそ】を読めばわかる勉強の意義とおもしろさ

あなたは、 🍓「なんで勉強しないといけないの?」 …と、生徒や我が子に聞かれたら、ちゃんと答えられますか? 今日は、この問いへの答えを考えるヒントとなる1冊をご紹介します。 『夜間中学へようこそ』(山本悦子さん著、岩崎書店)児童文学。 ☆夜間中学とは?夜間中学とは、公立の中学校の夜間学級のことをいいます。 現在、10都府県に34校が設置されています。うち8校が東京都にあります。 ただその分布には、かなり偏りがあるようです。 夜間中学に通学するのは、主に次のよう

【青くて痛くて脆い】成長とは?正義とは?理想とは?対話による相互理解の重要性

「君の膵臓をたべたい」でおなじみ、「青春の痛み」を描かせたら右に出る者はいない(アヤ調べ😝)住野よるさんによる青春小説! 今年6/12には文庫版も出ています。(角川文庫) ※本記事では、核心に迫るネタバレは避けておりますが、ある程度ストーリーにも言及しています。気になる方は、原作や映画をご覧になってから本記事をお読みください。なお、ネタバレにつながるコメントは控えていただきますようご配慮をお願いします🙇‍♀️ ☆あらすじ人に不用意に近づきすぎない、人の意見に反する意見は

青春小説×芸術小説🍑線は僕を描く

(トップ画はコミックス版の2巻の表紙より) 2020本屋大賞第3位、第59回メフィスト賞、他多数の賞を受賞! 「線は、僕を描く」(砥上 裕將(とがみひろまさ)、著。講談社) ☆あらすじ高校時代に両親を交通事故で失い、喪失感の中で時が止まったままの学生生活を送る大学生の青山霜介(あおやまそうすけ)は、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山(しのだこざん)と出会う。なぜか湖山に気に入られ、その場で内弟子にされてしまう霜介。それに反発した湖山の孫で超絶な美少女である千

誰かにとっての【思い出の修理工場】になれたらいいな🍑💕

間違いなく、2021本屋大賞の最有力候補。 「思い出の修理工場」(石井朋彦さん著、サンマーク出版) ☆あらすじうまく友達を作ることのできない、10歳の少女ピピが迷い込んだ「思い出の修理工場」。 ここは、「傷ついた思い出」を修理して「美しい思い出」に変えてくれる不思議な修理工場でした。 あるときピピはいじめに遭い、大切にしていたおじいちゃんの形見を壊されてしまいます。 ピピは、おじいちゃんの形見を直すために工場に向かいました。 そこでピピは、不思議で個性的でステキな

【晴れ時々くらげを呼ぶ】世界で最も優しい青春小説

またまた、本屋大賞候補のすばらしい小説と出逢えました! 「晴れ、時々くらげを呼ぶ」鯨井あめさん、著。講談社。 第14回小説現代長編新人賞受賞作品。 ☆あらすじ高校2年生の越前亨(えちぜんとおる)は、感情の起伏が少なく、何に対しても誰に対しても思い入れを持つことがあまりありません。売れない作家であった父親を病気で亡くしてからはワーカホリックな母と二人で暮らしており、父親が残した本を1冊ずつ読み進めています。亨は、最後まで家族に迷惑をかけながら死んだ父親の「ある言葉」に、ず