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NZ留学体験記①大学生活編

 2024年大学2年の春休み、2月12日から3月17日まで約1か月ニュージーランドに短期留学した。忘れないよう記録を残す。まずは大学生活編。


ダニーデン

 今回滞在したダニーデンはニュージーランド南島の南部、東海岸に位置し、オタゴ地方の中核都市である。夏の終わりの時期で、日中の気温差は激しいがおおむね過ごしやすい気候だった。物価は日本よりも高かった。

 19世紀半ばにスコットランド系移民が開拓した歴史から、スコットランド風の美しい街並みが広がり、中心のオクタゴン周辺には、市議会やセントポール大聖堂、ファースト教会などの荘厳な歴史的建造物が威厳を放っている。一方、街のいたるところにあるストリートアートや、中心から放射状にのびる道にある沢山のレストランやカフェはとてもおしゃれで現代的だ。

ダニーデンの位置


中心の The Octagon


街のいたるところにあるアート

 またダニーデンは坂とカーブがとても多く勾配もかなり急だった。しかしその分、丘の上から眺める景色は最高だ。まさに「海の見える街!!」(魔女の宅急便より)
交通手段は基本的に車またはバスで、どの家も車を所有していており、車庫がなく道路のわきに止めるのが普通だった。

丘の上の家

 ダニーデンは学園都市でもあり、地域人口の約20%が学生、なんと約45%が30歳以下の若年層で占められている!国内最古の大学のオタゴ大学をはじめ、Otago Boys Highschool(男子校)や Otago Girls Highschool(女子校)など19世紀に創立された歴史ある学校が集まっている。

 そして中心部から少し出れば大自然が広がる。数々のビーチとオタゴ半島のエコツアー!オタゴ半島にはアホウドリの一種であるRoyal Albatrossや、アシカ、ブルーペンギン、yellow-eyed penguinsなど多くの野生の希少動物が生息し、保護活動が積極的に進められている。

St. Kilda beach
羊は人間の5倍の数

授業

 留学目的としては語学留学で、大学での英語学習とホームステイが2本柱だった。参加学生はほぼ日本人で東大以外の大学からの参加者もいた。授業は平日、午前3コマ・午後2コマ(週1で午後休)と意外と多かった…。基本的にオタゴ大学内の一施設であるEnglish Language Centerで勉強していた。

【平日一日の流れ】
7:00 起床(社適)
8:00 家出る、バスと徒歩で登校
8:50 学校到着
9:00~11:50 general English の授業(1コマ50分×3)
昼休み
13:00~15:00 New Zealand studiesの授業(1コマ50分×2)
放課後(ピアノ練習、散歩、昼寝、友達と遊ぶなど)
17:30~20:00 帰宅、ごはん、ホストファミリーと歓談
20:00~22:30 自分の部屋で色々
23:00 就寝

午前(general English)

 20人弱の日本人のみからなるクラス。基本的にe-textbookに沿ってvocabulary、grammar、listening中心に問題を解いたり解説聞いたりするのが中心。正直、既習内容ばかりで退屈していた。でもたまに先生の好みで、洋楽の歌詞の聞き取り練習や動画視聴があったのは楽しかった。

 成績評価として2回のプレゼンと1回のライティングエッセイがあり、2回目のプレゼンはそれなりの準備が必要だった。TED talkの中から好きなものを1個選び、トーク内容と自らの意見をパワポを使いながらプレゼンするというものだった。スクリプトやメモなしで英語でプレゼンするという経験はあまりなかったが、楽しんで行うことができた。先生からも内容もプレゼン態度もほめてもらえて嬉しかったし自信になった!もちろんまだまだ伸びしろは沢山あるので、今後も真似をして学び、上達したい。

先生が持ってきてくれたケーキ

午後(NZ studies)

 午後はニュージーランド・スタディーズということで、ダニーデンとニュージーランドの基本情報から、マオリ文化、地形、固有の動植物まで浅く広く学んだ。こちらはペア・グループワークが中心だったので退屈することなく楽しく参加できた。週1,2回はoutingとしてキャンパスツアーや博物館見学もあった。

 特に印象に残っているのはマオリの神話の劇を3グループに分かれて行ったこと。私のグループは”the origin of the earth”という話で、Taneをリーダーとする神の子供たちが光・自由のない暗黒の世界を支配する両親PapatūānukuとRanguinuiを引き裂くことで、新しい世界(地球)を創造したというストーリーだった。グループメンバーは6人で、みんなで意見を言いながら楽しく練習することができた。教室の照明で明暗を表したり、前後左右の空間をダイナミックに大きく使うなど、2日の練習期間の中でも色々工夫した。私自身は1人で2役を演じて、対照的な立場が分かるように声のトーンや口調を大きく変えることを意識した。先生や他の生徒からも沢山ほめてもらえて嬉しかった。昔やっていた習い事のラボの経験を活かせて楽しかった!

 また、軽くではあるがマオリ語も学んだ。基本的な挨拶やkarakiaという、マオリの人々が行う祈り、結束の意思を高める呪文のようなものを何度も音読した。最後に決まって言う、”Hui e. Tāiki e!”(みんなで団結して進んでいこう的な意味)の言い方が力強くて好きだった。

その他の授業

 English Language Centerでの普段の授業のほかに、オタゴ大学の全学生向けのオープンレクチャーと東大生向けのスペシャルレクチャーが数回ずつあった。内容面の学びといういうより、海外大学での英語での講義ってこんな感じなんだなーという感覚を掴むことができた。今後の課題としては、英語で臆することなくみんなの前で質問できるようになること。積極的に質問をしている友達が何人かいて、自分も見習いたいと思った。

オタゴ大学

 オタゴ大学は1869年に創立されたニュージーランド最古の大学で、ダニーデン中心地=オタゴ大学といっていいほど存在感が大きかった。南島で最も雇用を創出している大規模機関で、大学が一つの街になっている感じだった。また世界の中でも、最も留学生コミュニティが充実している大学の一つで、様々な国からの留学生がいてとても開放的な雰囲気だった。

 キャンパスや建物のデザインもとても美しく、黒色の石からできた荘厳な建物と、輝く緑の植物とのコントラストがよかった。特にシンボルである時計台の建築デザインと色合いはかっこよく、世界の美しいキャンパスランキングで上位に入るのも納得できる。時計台の前には芝生が広がり、授業後疲れたときには、木の下の芝生で寝っ転がって昼寝をしたりして、とても平和な気持ちだった。

シンボルの時計台
キャンパス風景

 学生・職員のための施設も充実しており、おしゃれなカフェやキッチンカー、図書館、OUSA(東大の学生会館・キャンプラ的な建物)などがあった。図書館は大学内に何個かあったが、一番大きいcentral libraryはとても開放的な構造で、いろんな机の配置、形があって充実していた。レストランのボックス席のような形で半個室になっている机や、一人用の小さいソファも沢山あり、普通にリラックス空間としてもめっちゃ良かった。OUSAには音楽室もあり、アップライトピアノがいくつもあった。放課後に週1,2回ほどピアノを練習しに行けたので嬉しかった!

central library

 1つ驚きとして、東大にも一部のトイレに無料のナプキンが置かれているが、ここではOUSAのラウンジに、ナプキンに加えて、かなりの量のタンポンとコンドームもおかれていた!とてもカラフルでかわいかったので、最初見たときは無料でお菓子が置いてあるのかと食いつきそうになった(笑)

無料配布グッズ

 春学期の開始時期のため、新入生歓迎イベントも沢山行われていた。広場にはサークルのテント列がずらりと並び、無料のホットドックなどが配られていた。また、大学1年生が入るカレッジ(学生寮)対抗の運動会も行われていてとても盛り上がっていて楽しそうだった。

international food festival

 今回の滞在期間が1か月と短かったためクラブ活動に参加することはなかったが、初回ミーティング的にいくつか参加した。そのうち1つが、debating society(即興型ディベートクラブ)でmock debate(模擬討論)を見てみたのだが、まあ英語を話すのが早いこと!!いつ息してるのか分からないほどの速さ。強烈なシャワーのごとく英語を浴びたが、ほぼ理解できなくて唖然とした。時折聴衆から笑いが起こっていたが何が面白いのかさっぱりわからず。まだまだネイティブ英語を聞き取る力がついていないなーと痛感した。

 総じてオタゴ大学は学生中心の明るい雰囲気の大学で、とてもいい環境で学べるなぁとうらやましくも感じた!





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