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NZ留学体験記②ホームステイ編

 私のホストファミリーはお父さんお母さん、2歳の娘、0歳6か月の男の子の赤ちゃんがいる若い家庭だった。お父さんはニュージーランド、お母さんはインド出身で、オタゴ大学で出会ったそう。子育てがとても大変な時期なのに私をとても温かく迎え入れてくれてありがたかった。私の部屋は家の中の一室ではなく、家の隣にあるユニットハウス(別の建物)が与えられてベッド、机、トイレ、シャワーのそろった完全にプライベート空間でとても快適だった!

ホストファミリーの家

ごはん

 朝と昼はセルフで、夜ご飯は一緒に食べる。朝ごはんは基本トースト2枚と牛乳、昼のお弁当はサンドイッチ2個、りんごorオレンジ、ヨーグルトと少しお菓子という感じ。とてもシンプル。

 夜ご飯はホストファザーが毎日全員分を作ってくれた。料理好きの方でどれもとてもおいしかった!特に好きだったのは、自家製 fish &chipsとトルティーヤ。ご飯も何度か出たが、普段日本で食べているもちもち白飯ではなく、インディカ米の細長くてぽろぽろしたものか、逆にジャポニカの水分多めのべちゃべちゃしたものかという感じで、自分的にはやっぱり日本の米が好きだなーと思った。手作り巻き寿司も食べたが、具材の種類が違った。アボカド、人参、シーチキンの組み合わせで、醤油は一つの容器に入れたものをみんなでシェアし、わさびはチューブから直接寿司につけていた(笑)!

セルフの朝と昼
おいしい夜ご飯


 その他食事に関することとしては、食材の種類が私にとってはちょっと少ないなと感じた。基本1個の大きめの器のみでその中に野菜も多少入っているのだが、他に野菜・おかず・スープは特になく、栄養バランス的に特に野菜とタンパク質不足な気がした。もちろん1つのメインディッシュはおいしいが、正直どこか物足りなさがいつもあった。これはおそらく彼らが食材のバラエティに欠けているというより、普段の日本での食事の種類が豊富すぎるのではないかと思った。栄養補給のため、たまにナッツやサラダを買って食べていた。あと途中からなぜかとても「卵」が恋しくなった!ゆで卵や目玉焼きをスーパーで買うことはできないし、家で作れる感じでもなかった。普段日本では毎朝決まって目玉焼きを食べるという習慣があるので、ここにきて初めて私の食生活における卵の重要性が浮き彫りになった。ホームシックには全くならなかったが、ホームごはんシックにはなりかけていたと思う。

ホストファミリーとの時間

 ホストファミリーとは毎日色々なことを話した。まず私が家に帰ってくるとすぐ ”Hi Rio! How's it going??!” と聞いてくれて、その日したことや発見したことを話すといつも"Nice!!”とほめてくれた。2歳の娘ちゃんとも沢山遊んだ。ご飯を食べ終わった後よく、”Can I see your photos?”とおねだりしてきたり、私がつけていたスマートバンドをいじって遊んでいた。あとたまに絵本読んで!と頼まれて、「はらぺこあおむし」などの読み聞かせをした(私のいい発音練習にもなって楽しかった)。目があったときにニコーッ!!って笑ってくれる顔がめっちゃくちゃかわいくていつもキュンキュンして癒されていた♡ 0歳6か月の赤ちゃんもとにかくかわいかった。キラキラした目でじーーっと見つめられると思わず吸い込まれてしまいそう…まさに天使。

絵本の読み聞かせ

 子供2人が寝てからは、ゆっくりホストマザーとファザーとお話した。ニュージーランドの文化・社会、おすすめスポットや、彼らの過去の経験について聞いたり、逆に日本のことや私自身の考えや夢について聞かれたり、社会問題についてもちょっと話せてとても有意義だった。

特に印象に残っていること

 ホームステイの中で特に印象に残っていることが2つある。①家事・育児の協力②キリスト教コミュニティ。

①家事・育児の協力

 彼らにとっては完全に普通のことなのだろうが、家事・育児をお父さんとお母さんが協力して助け合いながらやる関係性がとっても素敵だと思った。子供中心の生活を二人で楽しんでいる雰囲気。特にお父さんが、赤ちゃんがまだ母乳期でお母さんがほぼ付きっきり状態のため、私が見た限りほとんどの家事を中心的に行っていたように思う。お父さんはオタゴ大学の職員として働いていて、子供の世話があるからということで、朝7時半出勤・15時帰宅の勤務形態をとっていた。早くに帰宅できることで、家で家族と過ごす時間を確保できるというワークライフバランスの模範すぎる!夜ごはん作りと2歳の娘ちゃんのトイレと寝かしつけ、絵本読みは決まってお父さん担当だった。夜ごはんはいつもみんなそろって食べて、食べ終わった後も娘ちゃんが元気に走り回ったり、ダンスをしたりしているのを両親が見守ったり一緒に遊んだりしていて、とてもあったかい雰囲気だった。

 あと結構驚きだったのが、お母さんが普通にリビングで母乳をあげていたこと。全然恥ずかしいという感じはなく母乳をあげながら普通に色々会話していた(他の小さい子供がいる家庭がいくつか集まっているときにも、それぞれのお母さんが普通にその場で母乳をあげていた)。また、両親どちらとも子供への愛情表現を言葉と行動で頻繁にしているのも素敵だなと思った(sweet honey, I love you, my best girl!など)。

 お母さん曰く、「今が一番大変な時期。赤ちゃんは完全にdependentだし娘もいつも目が離せない。すごく大変ではあるけどそれ以上にrewarding。すぐ大人になって自分のもとを離れるから今の状況もそう長くは続かない。」自分の夢についての話になったときにも、「私の夢は子供たちにできるすべてのことをして彼らにpositive impactを与えること」と話していて、親の深い愛情を感じ感動した。自分も将来家庭を持つならこういう子育てがしたいなーと心から思った。のと、そのためにもやっぱりワークライフバランス、働き方ってめちゃ大事だなーと思った。

②キリスト教コミュニティ

 ホストファミリーはキリスト教をとても大切にしていた。食事をするときは毎回お祈りするし、娘ちゃんの寝かしつけの時もいつもbible storyを読み聞かせていた。

 面白かったのは、毎週日曜の午前中に地元の教会に行くのに加えて、毎週火曜日に"bible study"を自主的に行っていたこと。これは、教会で出会った同じように小さい子がいる若い家庭5組が集まり、毎週交代でホストとなってみんなを家に招き、聖書の教えに基づくディスカッションを通して神の理解を深め、自己研鑽に繋げるという、いわば自主ゼミのようなものだった。まずある聖書の1節を読み、それに関して問いをたて、自由に意見を言って聞き合うという形式。例えばある時には「キリスト教におけるfamilyとcitizenshipのアナロジーについて」話していて、「あなたはthe land of God(教会?)においてよいfamily memberか」という問いに対して色々話し合っていた。

 傍からこの様子を見ていて、とてもよい言論空間でいいコミュニティだなーと思った。互いの話を傾聴し、どんな意見もwelcomeという雰囲気があり安心して自分のことを話せそうだと思った。(私自身もいつでもwelcomeだよ~と言ってくれた)また、大人になってからもこのように自主的に集まって意見を言い合えるコミュニティがあるのはすごくいいなと感じた。「他者と繋がっている」と感じられることは心の健康にもいいに違いない。

賑やかなbible study

 最初にbible studyに参加した日、キリスト教について色々な疑問が出てきてホストマザーに聞いてみたら、どんな質問もwelcome!といってちょっと聞きづらいようなこともとてもオープンに丁寧に答えてくれて、沢山教えてもらった。例えば、

  • ホストマザー自身のキリスト教との出会いについて

  • 神がいるとどうして分かるのか

  • Prayは神との個人的なつながりと言っていたのになぜ集団でprayをするのか

  • 信教の自由っていうけどクリスチャンとして他の宗教や無宗教の人についてどう思うか

 特に最後の質問については面白い回答を得ることができた。私の予想としては、「異なる宗教もそれぞれ信念があるからそれはそれでいいんじゃない、自分は賛同しないけど」的な感じかと思ったが、違った。ホストマザー曰く、(私の理解に不正確な部分もあると思うが)結論、「彼らは間違った神を信じている、悪い天使が彼らを神から引き離そうと惑わせている。ヒンドゥー教とかはいろんな神を信仰しているけどそれは間違っている」と明確に否定していた。実際には私の質問について一言でこう返したのではなく、聖書を取り出してきてキリスト教の始まりのところから読み上げて、長い説明をした後の結論だった。ホストファミリーは全ての正しいことは聖書に書かれていると信じていて、キリスト教の世界観の中で生きているので、他の宗教については全く認めていないんだな~という発見があった。今後機会があれば他のクリスチャン、他の宗教の人にも聞いてみたいし、より踏み込んで宗教の違いに起因する歴史的、現代的な争いについてどう思うのかも聞いてみたい。めちゃむずそう。と同時に私自身の意見も言えるようにしなきゃなと思った(あと日本の宗教について説明するのに苦戦した)。

 このようにホームステイはめちゃくちゃ楽しかったし色々発見もあっていいファミリーにめぐり合えて本当に感謝!


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