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聾の赤ちゃんに音の存在を知らせるための手作り絵本

息子は生まれつきの聾者です。
生後6ヶ月の時に重度聴覚障害が判明いたしました。

その後口話法の聾学校の乳幼児部でお世話になることになりました。

この赤ちゃん期に音や声の存在を知らせるために聾学校で指導され、作った手作り絵本をご紹介いたします。

とんとんとんなにの声

こちらの絵本はまず聾学校でボール紙の型紙と作り方のプリントが配られ、あとはおうちで作るように指導されたものです。

カッターで切り込みを入れたり
色を塗ったり
フェルトで動物や人形を作り
バインダーで閉じました。

「な」がかわいいです

手先でこういった作業をするのは大好きなので楽しく作りました。

まず


「とんとんとん。(とドアを叩く)」
(以降母が全て1人で語っています)

「はーい。」

「あ。誰かな⁉️(表情もセットで)」
→ここで赤ちゃんの目を見て反応を観察。

「げんちゃーん。」(絵本の扉の向こうで呼ぶ声)

「あ。誰だろ。」

そして絵本のドアを開ける

「あ。お母さんだーー」

また赤ちゃんの様子を観察

ばあっ

次は
「とんとんとん」(とこたつの布団をとんとんする)

足がでてる

「にゃおーん。」

「あ。誰かな⁉️」→赤ちゃんを観察、声リアクションを待ちます。

にゃおにゃお。猫ちゃんだねー。

そして
「とんとんとん」

「ぴぴぴ」→赤ちゃんの顔観察

「ことりさーん」

とこういったやり取りを何回も何回もしつこいくらい繰り返していきます。

大人からのアクションは毎回同じようでも、
例えば「とんとんとん」のところで、
子供が「あ。あ。あ。」と真似していうようになってくることがあります。そうしたらしめた物です。
それは母の声に気づいた印ですし、何かドアのようなものを叩くときは「とんとんとん」っていうんだー。と赤ちゃんなりにふんわりと理解した証です。

その時は「そうだよね!とんとんとん」と真似を返してやります。

動物の鳴き声も毎回こちらからは同じ鳴き声ですが、子供が真似するようになってきます。

その時にすかさず「そうだねーにゃーんだねー」と子供の真似をして正しいニャーんの声を返してやります。

せっかくなので続きを紹介します。

「とんとんとん」
「わんわんわん!」
「あ。誰かな?」

ワンという名前のワンコかな

犬だねー。わんわんって言ってるねー。

「とんとんとん」
「めえーーー」

お花畑をとんとんする

ヤギさんだー。

「とんとんとん」

「もーーーーう」

「あ。もーーうって誰?」
→子供に聞いてみる

あとは同じようなやり取りで、

子供ってしつこいの好きじゃないですか、
その同じことの繰り返し繰り返しで、いろいろ覚えてるんですね。

この動物たちはフェルトをカットして2枚貼り合わせただけのものですが、幼児期になると結構これだけで「て。て。て」(てくてくてくという意味)と遊んだりしました。


他、赤ちゃん期は何か周りで音がした際にわざとらしく「あ。何か音がしたよ」というリアクションを赤ちゃんの前で取って関心を促したりしていました。

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