ジャケ買いレコード『MAKIKO 1st / 高田真樹子』
いつもの中古レコード店で、このなんとも雰囲気のあるジャケットに惹かれた。
高田真樹子さんというシンガーソングライターのことは名前も聞いたことがなかった。1973年のポプコンで認められ、翌74年デビューとある。この『MAKIKO 1st』がデビューアルバムで、ポプコン出場曲の『糸』も収録されている。その『糸』という楽曲は優秀曲賞で、その年のグランプリは小坂明子さんの『あなた』だった。
デビューシングルには、その『糸』ではなく、『屋根』という別の曲が選ばれたようだ。両曲ともこのアルバムに収録されている。
ドラムがポンタさんで、ギターが高中正義という、なかなか豪華なレコーディングメンバーが用意されているところを見れば、相当に期待されていたようで、朗らかなポップ歌謡から情念的なシャウトまで幅広い表現を持った歌い手とみた。
このアルバムでは全曲で作詞作曲を担当しており、楽曲のレベルも翌年74年のポプコンでデビューする八神純子さんが、このアルバムの一曲目に収録されている『私の歌の心の世界』を後にカバーするほどのもの。
ところが、この人、Kittyに移籍して出した77年のセカンドアルバム『不機嫌な天使』では一転、林哲司さんをソングライターに起用した『しおどき』や小椋佳さんの『送り風』をカバーして、後にシティポップのメロウ系再評価の中で重要な役割を果たすんだからわからんもんです。
そちらも探してみたら、ちょっと躊躇するようなお値段だったのですが、これも何かのご縁と購入しました。
なぜかCD化されてませんが、いや、これは堂々のシティポップ名盤ですよ。