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春の和歌1・立春

仕事が忙しくてゆっくり歌を鑑賞している余裕がないのですが、
立春なので紹介だけします。
本当は、どの歌にもいろいろ語りたいことがあるのですが。

雪のうちに春はきにけり鶯のこほれる涙今やとくらむ(藤原高子)

鶯の凍った涙がとける、とはなんとうつくしい春のおとずれでしょうか。

ほのぼのと春こそ空に来にけらし天の香具山霞たなびく(後鳥羽院)

さすが後鳥羽院、スケールの大きな歌です。おおらかでゆったりとしていながら支配者の目で世界を見ている、王の貫禄の歌でしょう。


山ふかみ春とも知らぬ松の戸に絶え絶えかかる雪の玉水(式子内親王)

まだ春が来ていないように見えて、雪はとけ始めているのですね。打って変わって繊細な目線で世界を見た歌。

明日は雪が降るような冷え込みらしいんですが、立春とはいえまだ冬の空気が優勢の中、春を願う心は昔も今も変わらないですね。

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