🏭生産計画（1511文字）

2022年7月23日 10:37

主に組立ラインでの計画を想定してますが他でも参考になるのではないかと思います。ご一読ください。

モノづくりのパフォーマンスを決める生産計画。需要予測と生産制約を基に、相反する性質の需要変動と生産平準化を両立させる。これを達成するには先ず生産現場の製造品質と直行率を高めリードタイムを安定させることが必要。頑張れ！生産技術！

生産現場が高い直行率と短いリードタイムで安定生産するのに加えて調達担当はあの手この手で材料調達リードタイムを短縮しましょう。ウチは全品目の目標リードタイム決めて総掛かりでしました。これらを実現して初めてまともな生産計画が可能

これ最重要！生産計画担当は生産現場と標準生産能力、最大生産能力、台数変動幅、台数変更のタイムリミットについて手を握ります。計画担当はこれを厳守する代わりに現場は必達。どうしてもこの範囲を超える時は両方の職制の承認が必要とします

計画は大日程、中日程、着手計画の3段階。大日程は販売計画や予算、過去実績を基に立案し大まかな生産能力を決め仕入先に見込みを出す。中日程は業種に拠るが概ね翌月の生産指示で生産能力を確定。着手計画は実際に生産ラインを動かす確定指示

実際に生産する着手計画は半月、旬、週次等細かく計画し需要変動に対応。ただ、中日程から変更できる範囲は製品毎の制約条件に従う事、直近の変動に踊らされない事が重要。少々の変動は月で見ると変わらなかったりします

中日程は前月計画比の制約を設けその範囲で計画。それを超えて変更する場合は仕入先への発注予定を改定。着手計画は変更不可。やらない事を決める！しかし特例として上司の承認が有れば未着手分について変更可とする。無制限に変更可としない

着手計画は基本的に受注分から割り当て。空席は計画された製品種を生産制約に従い平準化して割り当て。以上を指定席と言います。空席に割り当てる時に一部を着手直前まで割り当てないでおきます。これが自由席で急な受注に備えます。

需要予測は当たりませんが生産計画には精度の高い予測が必要。そのためには「予測範囲」を小さくする事。例えば販売会社の発注見込でなく販売会社の受注残、在庫残等の台数情報を取る。そうすれば発注見込みが妥当か吟味可能になります

製品や業界にもよりますが量産品の場合。需要予測を台数、金額の両方で前年同月の実績と比較。もし数字に違和感があれば当該部署に問い合わせて確認。業績確保のため無理な「目標値」を予測として出している可能性あり

期前半に大口顧客のプレスリリースや正式回答で「減産するが今期販売目標は維持」と言うのは要注意。IRとして下方修正できないだけで期末が近づくと現実的な目標に下方修正してくる可能性あり。そのあたりを読んで対応するのが本当の生産管理

「AIとか使えば需要予測の精度向上できないの？」

しかし株や為替と同じで未来は分からない。世界は刻々と変化し過去の常識が通じない。特に月産台数が百台以下の製品は統計処理も困難。AIも所詮過去データを学習するので未来予測は簡単ではない

引合い情報、見積情報も重要。台数が少ない製品、顧客仕様のある製品は一件ずつ確認する。量産品は営業でこれらを全部データ化して工場に渡す。ただ生情報では使えないので確度を付けてＸ月にＸ台と言うデータに変換。工場は毎月精度確認

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以上、生産計画は製品やマーケットによって随分違うかと思いますが参考になりますと幸いです

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