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蜘蛛乃柱

向こうの方から微かに呻き声のような声が聞こえてくる。薄氷のような川の流れる河原。鬱蒼と漂うこの霧のように、俺には前後の記憶が全く無い。ああおそらくこれは死んだんだな、なんて思いながら呻き声の聞こえる方に歩いていく。どうしてそっちに向かっていくのか。それはもう決まっていることなのだろう。足が勝手に動いている。

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アバラ通信

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