「時代裂蒐集の旅」 (その一)
父から「私のコレクションを貰えると思ってアテにしても、死んだら全部博物館に寄贈する」と宣言されたのを契機に、私は自分の手で時代美術裂を蒐める決心を致しました。父が日本であれだけの(約五百点)量を蒐集できたのだから私は世界の各国を歩いて如何なる社会背景のどんな人種が使用したのか、実地調査を兼ね乍らと計画したのは昭和三十九年。東京呉盟会の産地見学旅行で奄美大島〜鹿児島に参りました機会に、単独で沖縄に飛び、後年台湾・韓国・タイ・インドネシア等の東南アジア諸国に足跡を残し、日本の染