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#2【CMソングコラム:もうひとつのJ-POPたち】🎶 上を向いて歩こう🎶

今回も勝手に書きます。

新型コロナ感染拡大の第一波時、“スティホーム”の掛け声の中、家にいて不安を抱え未来を案じている方々、新型コロナウイルスと闘っている方々、医療従事者の方々、生活インフラを支えるために働いてくださる方々へのエールや、家での過ごし方、手洗い方法やマスクの作り方など、さまざまなWEB動画や応援プロジェクトが展開されました。

そんな中で聴こえてきたのが、坂本九さんが歌い、今もなお世界中で愛されている名曲「上を向いて歩こう」。

コロナ禍に生きる力を届けてくれた音楽

まだ、記憶に新しいのが演出家:宮本亞門氏率いる「上を向いてプロジェクト」。様々な方々に、少しでも希望を感じてもらおうと発足。4月中旬から歌で想いをつむぐ「上を向いて~SING FOR HOPE プロジェクト」として、歌詞にある「春」・「夏」・「秋」の3つの季節から着想を得た3本の動画と、応援メッセージをつなぎ合わせた動画が公開されました。
そのほかに、海外でも、医療従事者やエッセンシャルワーカーの方々を応援するため、多くの方々が参加したSNS動画。その中でも、洋楽に混じって、この名曲が歌われていました。レディー・ガガの「スマイル」(チャップリン作曲)も印象的でした。

そう言えば、この名曲「上を向いて歩こう」は、1963年アメリカのビルボードで第一位を獲得したんでしたね。タイトルは、ご存知のとおり、「SUKIYAKI」。世界の名曲なんです。

2011年にも響いた「上を向いて歩こう」、希望の歌のリレー

この名曲で思い出される動画(というか、TVCM)が10年ほど前にも一つありました。

それは、現在同様、未曾有の危機であった2011年の東北大震災直後。日本を元気に、そして、明日へ向かって前進するメッセージを届けようと企画された“希望の歌のバトンリレー"CMでした。

当時、サントリーは、日本中で幅広く愛されている名曲「上を向いて歩こう」と「見上げてごらん夜の星を」の2曲を総勢71人のCM出演者が歌う動画を公開されました。この難局を乗り超えて、日本が明日に向かって前進するために何かメッセージを届けることはできないかと考え、希望の歌のバトンリレーを行うことで少しでもたくさんの人の気持ちに絆の和を広げていくことができればと、同社のCM出演者に依頼。71人がそれに賛同し、動画が完成したものでした。

2曲それぞれに、30秒と60秒のバージョン、全部で8バージョンが観られ、確か、ピアノの伴奏は坂本龍一さんだったと記憶しています。

資料によれば、出演は以下のメンバー。

石井正則さん、石原さとみさん、榮倉奈々さん、及川光博さん、大滝秀治さん、大塚寧々さん、大森南朋さん、岡田将生さん、小木博明(おぎやはぎ)さん、小栗旬さん、 加藤茶さん、鎌倉道彦(コンドルズ)さん、カンニング竹山さん、北山陽一(ゴスペラーズ)さん、桐島かれんさん、桐谷健太さん、黒沢薫(ゴスペラーズ)さん、高良健吾さん、小林克也さん、小雪さん、近藤真彦さん、近藤良平(コンドルズ)さん、 堺正章さん、酒井雄二(ゴスペラーズ)さん、佐々木希さん、佐藤健さん、水前寺清子さん、左右田一平さん、高島彩さん、高橋克実さん、竹内結子さん、檀れいさん、蝶野正洋さん、鶴田真由さん、テリー伊藤さん、トミー・リー・ジョーンズさん、 永瀬正敏さん、仲里依紗さん、中村獅童さん、仲本工事さん、 袴田吉彦さん、萩原健一さん、浜美枝さん、富司純子さん、藤田善宏(コンドルズ)さん、ベッキーさん、堀北真希さん、 マギー司郎さん、松平健さん、松田翔太さん、松田聖子さん、三浦友和さん、三浦雄一郎さん、光浦靖子さん、宮沢りえさん、三吉彩花さん、ムッシュかまやつさん、村田兆治さん、村上てつや(ゴスペラーズ)さん、本木雅弘さん、 やくみつるさん、八嶋智人さん、安岡優(ゴスペラーズ)さん、矢作兼(おぎやはぎ)さん、山崎樹範さん、吉高由里子さん、吉永淳さん、矢沢永吉さん、笠浩二さん、和田アキ子さん。

一部、歌詞を引用します。ご参考まで。

上を向いて歩こう
涙がこぼれないように
思い出す 春の日
一人ぽっちの夜

上を向いて歩こう
にじんだ星をかぞえて
思い出す 夏の日
一人ぽっちの夜

幸せは雲の上に
幸せは空の上に

JASRAC作品コード:010-0006-3/作詞は永六輔、作曲は中村八大

「人と人が話す」大切さをテーマに

そして、このコロナ禍にも、サントリーグループが応援企画を公開しましたね。ソーシャルディスタンスが叫ばれ、自粛ムードの中、5月8日より「人と人が話す」大切さを感じられるWeb動画「話そう。」篇、「話そう。」シリーズがスタート。5月12日からはTVでも同様テーマでCMがオンエア。天海祐希さん、石原さとみさん、香取慎吾さん、堺雅人さん、佐藤健さん、出川哲朗さん、吉高由里子さんら総計37名が出演する「話そう。みんなで」篇でした。

今回、テレビCMでは歌のリレーではなく、出演者一人一人が、コピーをつなぐ形式で、「大丈夫。つながっている。話そう。」と語り掛けます。全員が音声メッセージのみの出演。

そして、CMソングとしとバックに流れる音楽は、以前NHK「みんなのうた」に流れていた 財津和夫さん(チューリップ)作詞作曲による、これまた名曲「切手のないおくりもの」。個人的には、涙ものでした。

<コピーメッセージ>
人と気軽に会えない今だけど、
話すことで、心は軽くなったりする。
話そう。会えなくても。
大丈夫。つながってる。

人と人が会うこと、会話すること自体が、「当たり前」ではなく、人生の「奇跡」であり、日常の「幸せ」なんですね。そして、歌や音楽は、誰かを元気づける救いの「贈り物」なのかもしれませんね。

今回のコラムでは、CMのためのCMソングではなく、既存の名曲使用のCMソングというパターンです。企業や商品・サービスのメッセージや想いを際立たせるCMソングの存在・重要性もさることながら、多くの日本人に染み込んだこの名曲の大きさ・深さ、そして、改めて、CMにおける音楽の持つ力を感じることが改めてできた大切な時間になりました。

#2【不定期連載】僕らの何%かは、CMソングでできている

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