USJはこの男に救われた


USJは、一度事実上の経営破綻をしていることをご存知だろうか?
今ではUSJと言うと、世界最高のエンターテイメントや最高のテーマパークといった印象があり、知らないものはいない。

しかし、USJは開業当時は開業1100万人が来客したものの、そこから来客数は落ち込み、2004年には事実上経営破綻をしてしまった。

そこからなるべく経費を抑え、なんとか生きながらえたUSJは、2010年にマーケターである森岡毅をヘッドハンティングする。そしてこの森岡氏こそが、USJ救った第一人者だ。


森岡氏

1. とにかく実績がすごい
2.論理的でかつ再現性が高い


1. とにかく実績がすごい

森岡氏がマーケティング部門で引き抜かれ、一気にUSJの来客数は上向きになり、そこから3年で、開業時の1100万人超えた。2016年には、

来客数 800万人から1390万人 170%増
チケット単価 5800円から7400円 127%増
年パス単価 15000円から19800円 132%増

まで伸ばした。

引き抜かれる前、森岡氏はシャンプー業者でマーケティングを担当していた。
シャンプーはマーケティングが難しい分野で、理由は洗った後がわかり辛いと言うことだ。しかし、そこで森岡氏は結果を出しマーケティングの学校もしていた。

2.論理的でかつ再現性が高い

そもそもマーケティングとは何か。

森岡氏は

「営業は商品を売ること」で
「マーケティングは商品を売れるようにすること」

と語る。

営業は値引きをしたり、良いところを見せたりするが
マーケティングはお客さんから欲しいと思うようにみせるのだ。

そして日本人は、マーケティングをできる人が少ない。
日本人は技術思考で、マーケティング思考ではないのだ。

そしてマーケティングとして、TVCMなどを扱ってる会社も、全く消費者目線になっていない。
消費者心理「インサイト」と呼ばれる、
消費者自身が気付いてない欲求を全く知らないのだ。

例えば、アリエール

アリエールは発売当初、抗菌効果を売りにした。
抗菌効果とは、洗濯をしたあと菌が確実に死ぬと言うこと。
しかし消費者は「洗濯後って菌が死ぬのは当たり前だよね」
と思っている。

だからそこに訴えかけるのだ。

「菌があるから洗濯後、生乾きだと臭くなる。
しかし抗菌効果があったら、部屋干しでも臭くない。
じゃあ臭くならないなんてことあるの?
うん、アリエール」


◉USJはそもそもなんで失敗したのか?

1.衰退した時に考えられた理由
2.本当の理由


1.衰退した時に考えられた理由

・近くに競合できたの?
・不景気だから?

などなど、当時信じられていた。

説1 創業時の不祥事説

・食品の賞味期限の偽装 
・工事ミスで、工業用水がパーク内の一部の水飲み器に繋がってた問題
・火薬の使用量と保存方法の問題

相次ぐ不祥事でブランドイメージが下がったため、来客が減ったとされていた。
しかし調査の結果、来客数はその前から下がっていたのだ。
要は、集客減が理由で賞味期限偽装が起きていた。


説2 映画のテーマパークコンセプトのブレ

・2004年事実上破綻 グレン社長に
・徹底したコストカットで危機脱出も集客横ばい
・ハローキティの投入
・夜の電飾パレード「マジカルスターライト」の実施

USJは映画だけにこだわったコンセプトだったが迷走した。
そしてその結果、東京ディズニーランドとの差別化ができていなかった。

この説はは確かに可能性がある。

しかし、森岡氏が調べた結果、映画のエンタメシェアはわずか1割
だった。
要は映画だけだとシェア率は1割だから、そもそも映画だけは無理なのだ。


そこで、森岡氏は新しいビジョンを立てた。
「世界最高のエンターテイメントを集めたセレクトショップ」

そして行った施策が以下だ。

1. ターゲット客層の幅
2.テレビCMの質
3.チケット価格の値上げ

そしてこれらを社内に浸透させていく。
森岡氏は、「マーケッターの役割はチームをまとめる役割でもある」と言う。

明日は、森岡氏が実際に行った施策を詳しく紐解こうと思う。


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