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【東京六大学野球】注目の新4年生野手【ドラフト】

 こんにちは、宜野座パーラーです。4月8日開幕の東京六大学野球ですが、前回の記事に引き続き、今回は注目の新4年生野手について、3年生までの成績も交えながら取り上げます。

1.新4年生野手成績一覧

図表1:新4年生野手成績一覧

 図表1は通算50打席以上の新4年生野手の成績一覧です。RC27については後述の関連記事で細かく書いていますが、プロ入りの目安として「6以上」(守備力が売りならば4以上でも可能性あり)がひとつの基準になろうかと考えています。現状では2選手が6以上、6選手が4以上で、今年は投手に比べるとややプロ入り候補が少ないかもしれません。

2.実績十分な明大・上田と慶大・廣瀬

 ドラフト戦線で現時点でも名前が挙がっている明治大の上田希由翔(④三塁手・愛産大三河)と慶應義塾大の廣瀬隆太(④三塁手・慶應義塾)は成績面でも飛び抜けてけており、やはりこの2選手は野手の目玉となるでしょう。

図表2:M上田

 明大・上田は4番に座る機会こそが多いですが、タイプ的には中距離ヒッターの好打者でしょう。特に、通算打率.301で現役トップの50打点と、ポイントゲッターとして十分な活躍を見せ、4三塁打、8盗塁とスピードも兼ね備えています。また、内野は一塁、二塁、三塁を、外野は両翼を守れる器用さもあります。総合力の高い選手ではありますが、通算6本塁打というのはまだ物足りないというのが正直なところです。

図表3:K廣瀬

 一方、慶大・廣瀬は生粋のスラッガーです。通算13本塁打は圧倒的に現役トップで、特に3年春には4本塁打を放ちました。三振率(K%=三振÷打席)22.8%が示すように、淡白なプレーが垣間見えるのは玉に瑕です。しかし実際にプレーを見ていると、意外にスピードがあったり、素材はやはりピカイチです。粘り強い打撃や先の塁を狙う走塁の意識など、一つひとつのプレーの質を高めることができれば、文句なしのドラフト1位候補クラスの選手になると見込んでいます。

3.慶大・宮﨑と法大・今泉は確実性アップが課題

 次点に控えるのは慶大の宮﨑恭輔(④捕手・國學院久我山)と法政大の今泉颯太(④遊撃手・中京大中京)です。

図表4:K宮﨑

 慶大・宮﨑は3年秋に正捕手に定着し打率.300を記録し、冬の全日本候補合宿にも召集されるなど、急成長中の打てる捕手です。RC27は5.15と捕手にしては高い数字を残していますが、BB/K(=四死球÷三振)0.38としぶとさに欠いている点は改善が必要です。また、橋本達弥(DeNA)や増居翔太(トヨタ自動車)ら主力が抜けた投手陣をどうリードするのかが注目ポイントです。

図表5:H今泉

 法大・今泉は右打ちの大型遊撃手として、そのスケール感への期待をせずにはいられない存在です。通算打率.233、4本塁打と数字だけ見れば物足りなく、K%も25.0%と粗さが目立っているのが現状ですが、ツボにはまったときの長打はやはり魅力です。本塁打率(HR%=本塁打÷打席)3.0%は慶大・廣瀬の4.9%に及ばずも、明大・上田の2.4%を上回っており、一発を打てる遊撃手としての希少価値は注目です。

4.早大・熊田はこの1年でどうアピールするか

図表6:W熊田

 最後に取り上げるのは早稲田大の熊田任洋(④遊撃手・東邦)です。1年春からショートのレギュラーとして抜擢されると、全試合でスタメンに名を連ね、途中交代もわずか2試合とほぼフルイニングで出場しています。攻守に結果が出ずに我慢の起用が続くなか、3年秋のセカンドへのコンバートがうまくハマりました。リーグ6位の打率.342を記録するのみならず、3本塁打を放ち、大きく飛躍しました。

 ラストイヤーの今季は再びショートに挑戦するようです。守備での負担が増えるなか、どのような成績を残すのかが見ものです。数字面ではK%が8.5%と低く、ここまで13犠打飛を記録しているあたりに特徴がありますが、何か飛び抜けたアピールポイントがないのが現状でしょう。チームの浮上とともに、この1年でどうアピールするのかに期待です。

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