浦和と大槻さんの2019年を僕なりに振り返る

前回のnoteの流れです。よければ、併せて読んでいただけたら。

今回は、編成、チームビルディングの流れ、スケジュールと、今シーズンのことをざっと振り返った上で、それに対する印象、監督の評価、フロントの判断基準について思うことを。

以下は、試合やコメント等、チームのアウトプットをもとに僕が想像したものにすぎません。捉え方の一つとして。

編成面

興梠の負担

チュンソンのように、前で強さ発揮できる、ネガトラでも役に立てるって意味で「無理が効く存在」がいなかった。

武藤の怪我もある。

フォーメーションも相まって、興梠を追い越す選手の到着が極端に遅い。

彼は1人で味方の押し上げを待たなければいけなくなり、背中に受けるDFからのプレッシャーはより強いものに。

1人で背負い切れるほどのコンディション維持については、興梠本人もできなかったと感じている。年齢もあるんだろうなあ。寂しい。

代わりに興梠を追い越してプレッシャーを分散させる存在になりうるかもしれない武富は怪我人だった、結局。

大槻さんが彼を呼んだというのが本当なら、課題に対して解決の可能性があるプランとして考えた上でのレンタル解除だったっていう解釈はできるし、理にかなっていると思います。

他の局面打開方法としての「個」の存在

別パターン、局面を個人で打開して盤面ひっくり返すのも当然あり。
相手を強制的にずらすことができる。

そのための関根帰還なはず。

でも、帰ってきた関根のコンディションは結局整わなかった。

加えて、興梠と同様、関根に対するプレッシャーを緩めるようなシャドーワークやローテーションの仕組みは作れなかった。この辺りは後述。

それ以外の前線の選手は、得意なことでも圧倒的な個を持ち合わせてるわけではないし、ジェネラリストとしてはできることが少ない。

大槻さんに求められたタスク

ピッチ上の人の能力では解決できない。

マジで全員上手くなるしかなかった気がします。

各局面で効率を少しずつでも改善することで、トータルの能力を高める。
大槻さんの就任当初のトレーニングでの発言を垣間見ると、本人としてもそう考えていたのでは、と。

でも、それをバチッと鍛え上げることはできなかった。

チームビルディング

流れ

①全体のバランスを整える
②ビルドアップで1つフックを作る
③シュートまで繋げる

が、結果的には浦和の今シーズンの攻撃構築の目標の流れになったかなと思います。

①から②へのチャレンジは、ようやく、シーズンラスト2試合で“割と顕著に”見られた。

でも、良い状況でシュートを打つには勝つためにはもう一歩進まないといけません。僕的にはこんな感じではと。

この2試合は、①から②に進むために「今までバランスだと考えていたもの」を多少崩した。結果としては、バランスを犠牲に相手を以前より押し込めるようになったという、オープンな試合展開。

見直してないけど感覚としては(

チームビルディングは②で止まると、結局シュートまでつながらず、重心が前に置かれた状態でネガティブトランジションに向かうことになり意味がないので、①から③までの構築はスムーズに行われる必要があります。

上手くいかなければ、チームは監督をかなり早い段階で信じられなくなっただろうと思います。文字通りバラバラ。

そうなれば、降格圏に落ちていた可能性は結構高いだろうなと。

そのリスクを極力避けた上での①止まり、結果としての14位だったかもしれません。

この2試合、残留はもういけると踏んでチャレンジしたのでは。リスキーだったと思うけど。

考え方

ここで、界隈で使われる和式洋式という表現について、重要な考え方だなと思ったムダじゃよムダさんのツイートを引用します。

「和式洋式の違いは、ピッチ上で表現されている物の違いではなく、その現象をどう評価するのかの違い」というお話です。

見たものをどう解釈するのか、そこに違いが出てきます。

ピッチ上の修正として、ざっとした局面の変え方はいくらでも言えますが、本質はもっと奥深くにあるはずです。

①・②・③の流れがスムーズに進んでいくようにチームを構築するには、現象より先にまず考え方の調整が必要なんだと思います。

ポジショニング、体の向き等をどう捉えるか、そういったちょっとした違いが、全体としては全く違う現象を生み出す。バタフライエフェクト。。

そんな意味では、手をつけるところが表層すぎたのかもしれません。

この価値判断基準の調整は、本来もっとプレッシャーの少ないレベルでやっていくべきことなはずです。

スケジュール

5月からの指揮で、時間だけ見れば十分な時間があったという評価もできます。

ただ、ACLで勝つことを求められる背景でチャレンジする賭けや、色んな形を整えられるほどの経験は大槻さんやコーチ陣にはなかったかなと。個人的には思います。

そういう構築は選手の負担も相当なものなので、トップチーム担当としてはフレッシャーズな監督コーチには難易度高すぎるんじゃない、と。

監督

個人的な「大槻さん」の評価

進捗を見たときに、大槻さんについて考えると

・ACLがなければ、もう少し序盤捨ててチャレンジできていたかもしれない
・武富と関根の誤算
・少しずつ学びながら進んでいる

が折り重なって大きな悩みを抱えながら今シーズンを迎えたんだろうなと。

わかっていたけど手を付けるのを躊躇った、選手追加したけど結局想定ほどは使えなかった、わかっているつもりだけどまだまだ先があった。

特に「サッカーについての学び」に関しては、質的優位を確保できなかった分、サッカーを分解、再構築する必要に迫られて、遅くとも何歩かは進んだのでは、と思います。

その成長が良い方向に進んでいくなら、彼自身には良い未来が待っているのかもしれない。と。

ただ、それはJ1でやることなのか?疑問です。

もちろん状況については、前回のnoteや今回の記事前半に書いたような苦悩があったと思います。

ただ、理解できますが、少なくとも交代やプランニング等後手に回った試合が大多数だったことは間違いないです。

試合中の監督の指揮官としての役割は果たせなかったといって良いと思います。

ここで結局、フロントの「大槻しかいない」という決断の評価をしないといけなくなります。

続投

ACL敗退後にでた記事の情報が本当なら、チームは11月には新しい監督を水面下で探していました。

続投よりも良い道があるはずだ、と思ったのか、大槻さんからその方向で的な話があったのか。

でも、先ほど大槻さんの続投が発表されましたね。

次期監督探しは全くうまくいかなかったか、もしくは、記事はフェイクで既定路線だったか。

前者なら、「磐田でもフベロを呼べるのに」「鳥栖でもカレーラスを呼べるのに」という意味で、なにが悪いのか考える必要があると思います。

後者なら、どういった基準に基づいた判断なのか。

フロントが大槻さんの「成長」についてコメントしていたかと思います。

本当にそこに期待してるのかもしれませんね。

来シーズンの浦和

とにかく、少なくとも数ヶ月は、大槻監督がいい方向に成長することを期待するしかなくなったのは確かです。

個人的には「その可能性がない監督ではない」という思いと、「トップチームでやることじゃない」という思い、両方あります。

みなさんはどうでしょうか。

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