見出し画像

【2024年7月21日】ライオンのことって実はあんまり知られてない?

 僕は動物園や水族館へよく行きます。
 色んな動物園で色んな動物を見ますが、この1~2年は特にライオンが一番の目的で見に行くことが多かったです。
 ライオンの赤ちゃんが産まれたり、遠くの動物園からライオンが引っ越してきたり、ライオンに関する出来事がたくさんあり、その度に見に行きました。

 ものすごく大勢の人が見ていて、家族、親子、友達同士、などが話している声が聞こえてきます。わざわざ聞き耳を立てたりなんかしません。でも、大きい声で話していると聞こえてきてしまう時があります。

 たてがみのあるライオンを見て「あのライオンはオス?メス?」と連れの人に質問してる人が結構よくいます。小さな子供ではなく普通の大人です。たまたま偶然に一度だけ聞こえたのではなく、何度も聞いたことがあります。質問されたほうの人も「うーん、どっちどろう?」なんて言っていることもあります。もしかしたら今これを読んでいる人の中にも「え?分からないが当たり前。当然の質問でしょ」と思ってる人もいるかもしれません。

 正解は、オスです。
 たてがみが生えるのはライオンのオスだけです。メスにはたてがみが生えません。たてがみのあるライオンがいたら、必ずオスです。これは100%断定できます。たてがみがあったらオス。ライオンは外見だけでオスかメスか簡単に見分けられる珍しい動物です。
 ただし、たてがみが生えてくるのは大人(1~2歳ごろ)になってからで、子供の頃はオスもメスもたてがみがありません。
 まだ小さい子供のライオンについては、たてがみがないからメス、とは言えず、外見だけではオスかメスか分かりません。(※正確に調べる方法はDNA鑑定しかないそうです)

 この写真は、ノースサファリサッポロのライオンの赤ちゃん、産まれて3ヶ月くらいの頃。2頭いてオスとメスですが、外見では全く見分けがつきません。

 旭山動物園のライオンのオリトくん、1歳半くらいの頃。たてがみが生えて伸びてきた頃。まだまだ少ないですが、これくらい伸びたら一目でオスだと分かる。

 旭山動物園のライオンのオリトくん、7歳の頃。綺麗なたてがみ。完全に大人のライオンですね。

 ライオンのたてがみがのことって、誰でも知ってる常識みたいなものだと僕は思ってました。特にライオン好きじゃなくても、動物好きじゃなくても、普通に生活してたらどこかで知る一般知識。ほとんど常識みたいなもの。
 そう思ってましたが、違ったようです。そのことに気付いてものすごく衝撃を受けています。

 この1年くらい、円山動物園のライオンの飼育方法や展示方法などが批判的な話題になりました。
 円山動物園にいたライオンが亡くなって1頭もいなくなったので、他の動物園からオスとメスのライオンに引っ越してきてもらうことになりました。それでペアリングを目指すのかと思ったら、オスとメスのライオンを展示するというだけで、避妊手術をして子供は作らないそう。
 この円山動物園の方針について「ライオンが可哀想」「子供を作らないなら1頭だけでいい」などと言って批判する人が増えました。
 実際のところ、非常に難しい問題だと思います。

 動物園には、動物の生態を知って貰う為の教育施設、という役割もあります。ライオンのオスとメスの見分け方も知らない大人がたくさんいるような現状ならば、ライオンのオスとメスを揃えて展示して、両方を見比べて違いを理解して貰う必要があるでしょう。
 また、ライオンは赤ちゃんが出来やすく頭数が多いので、産まれてから飼育に困ってしまうよりは産まれないように先に避妊手術をしたほうがいい。
 僕も円山動物園の方針に心から賛同するわけではありせんが、動物園としては当然の決定だと思います。仕方ないです。

 ただ、ライオンの生態をもっとよく知ってもらう為には、小さい子供のライオンはオスもメスもたてがみが無いということも知って貰う為に、ライオンの赤ちゃんを産んで見せて欲しいなぁ。そんなこともちょびっとだけ考えてしまいます。無理だろうけど、やっぱり考えてしまう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?