詩)胸騒ぎの腰つき
好きな人と腕を組むこと
暑いねと共有すること
階段を一緒におりること
どうでもいいことを一所懸命言い合うこと
お互いの声を少し下げたり上げたりすること
お互い何か聞いたり話したりすること
これがいいとかダメだとか言い合うこと
少し気持ちを隠して 話すこと
夜風が気持ちいいと思うこと
もうお互いはこれ以上いかないのに
少し想像してみること
不思議なくらい同じ気持ちになること
不思議なくらい 好き と思うこと
それは今日だけで 明日はもうないだろう
そう思いながら 茅ヶ崎行きの電車に乗り
うぶな女みたいに胸こがす
不思議なものね 茅ヶ崎は
妄想が回って回って
いっちまうような瞳があったかなかったも夢の中
やっぱり人生って一回だけだと思う
そう思う あきらめる
そう思う あきらめられず
胸騒ぎの腰つき
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