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妄想

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全くの妄想です。
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#一度は行きたいあの場所

詩)真夜中のデモ行進

真夜中の高層マンションの最上階の非常階段 五メートルもあろうかという蝉が張りついて鳴いて…

詩)夢の中の夢

なにもない ほんとうは なにもない ディパックに 顎をのせ 鞭の音を聴く 階段の下は 突き立…

詩)妄想客室Ⅲ

明るいラテンの音楽が流れるバーで 王族の一人という男は 手のひらをしっかりと握って 真っ直…

詩)ゴーストライターの悲哀

ゴーストライターの悲哀は 真理と似ていて違うもののような  正しいことを書いても  正しさ…

詩)純愛

その女は背中に墨を背負っていた 暴れ龍が腰から登っていく 背負ったのはまだ二十歳のころ 羽…

詩)狂騒

株価が史上最高値を超えたというニュースを聞きながら  ぼくは安いちくわ天そばを頼んだ 時計…

詩)先尖

尖ったものを残す ホームで列に並ぶ 優しい言葉にある棘 突然思う 無言と無口の違い 眼の奥にある希望と絶望 連れ去られ檻の中で 閉じ込められ 奪われたものは何だったのか? 立ち止まったまま いつまでもここには居られない あいまいに今日という日は在る 銃声 地球の心臓 撃ち抜かれ 波が押し寄せ 手を挙げたものたちさえ 押し流し 突き刺さる 光と闇 今日は今日の陽があがる時 それがすべて 終末のラッパだとしたら

詩)独裁者の最終戦争

ゾクゾクするこの感覚はたまらない世界を守る為に平和を守るためにわたしのひらめきは軍事的頭…

詩)イスラエルのベングビールはダンスが好きなファシスト

カルト信者は殺人罪で起訴されそうになっている 圧倒的に不利な状況で逆転ホームラン可能か? …

詩)1234 わからない

1234 眼鏡を外して 4567 格子柄 8910 逃げる 111201 トロトロ 優しい言葉の中には 少し棘があ…

詩)ありふれたキリスト

ありふれたキリストは 明日 髭を剃る 信じることが出来ない街の 死んだ土 葉のない木 石しか…

詩)花火幻想

機械―それから空と海  私が美しいと感じることができるのは これだけ あの晩 彼女はそう…

詩)橋は見えますか。あなた

「深夜に逗子マリーナなんかに行くと、誰もいない港でヨットの帆がカラーンカラーンと鳴って、夜の夜中にそんなところで潮の香りを嗅いでいると、ナルシスティックかもしれませんけれど、なんで自分はこんなところにいるんだろうと不思議な気分になりますね」 「世の中の大半の人間は、橋を渡ろうとしない。渡って向こう側を見てきた人間には、きっと成功も挫折もないのだろう。」 『東京タクシードライバー (朝日文庫)』山田清機著 海の中からぽうっと光りが見える 風にさらされた看板がコトコト音をたてる