我が家の猫(小夏 編)
一人っ子の銀がさみしかろうと思い、2年後の春に譲り受けたのが小夏。お迎えでは2時間のロングドライブを耐え抜いたタフな女である。
小夏(長女)
お迎えの経緯
銀を迎えた猫カフェにはこだわらずに、保護猫のHPで探したちょっと遠くにいた女の子。
保護猫は通常、1、2週間程度のトライアルを行うのが通例だが、車で片道2時間の距離では「はいダメでした」で戻ってくるのは難しい。なのでよっぽどでない限り帰らない覚悟で迎えに行ったのだ。
家ではケージに入った小夏に銀がしきりに話しかけ、小夏もまんざらでもない様子なのですぐに解放する。この二人は最初から仲が良かった。
ちなみに最初は緊張してたせいか発現しなかったが、小夏は人慣れしておらずシャーフー状態。初めてのお触りは2週間後までお預けになった。(シャーはそれからも半年ほど続く)
名前の由来
映画「蒲田行進曲」で銀四郎を支える女性、小夏より命名。
落ち着きのない銀に振り回される様子は映画の小夏に通じるが、決して男に尽くすタイプではない。
性格
小柄ながらすらりとしたアスリート体形で、固めの毛を持つ野生児。本気を出せば他の子たちを凌駕する身体能力を持ちながら、周りに遠慮する平和主義者である。
しかしながら決しておっとり系ではなく、私が一人のときを見計らってはしっかりアピールしてくる抜け目なさもあわせもつ。
私の足元にいつのまにか座っていて、気づいてもらうまでじっと見上げる。そして目が合うとブルニャーン!と呼びかけるのだ。
上目遣いで懸命に声かけする彼女には誘われるままついて行ってしまう不思議な魅力があり、家では「姫、小悪魔、猫界のブリジットバルドー」などと呼ばれている。
好きなもの
好きなこと
触らせ可否
プレイスタイル
小夏はおもちゃ遊びが嫌いではないのだが積極的に遊ぼうとはしない。周りに遠慮するタイプなので合同演習では特に消極的だ。
そんな小夏だが、チョコマロが遊んでいるときに突然乱入してくるときがある。
彼女が本気を出すタイミングはわからないのだが、この時のスピードとパワーはチョコマロを圧倒する。
「こうするのよもう!」
お気に入りイベント
小夏の優先順位
小夏は周りに誰もいないとポンポンタイムやおやつを要求してくるのだが、他の子(特におやつセンサーの鋭いチョコ)の気配を感じると食べている口がぴたりと止まり、ゴクリと飲み込んで終了してしまう。
なので小夏に呼ばれたときは後回しにせず最優先で対応するのだ。そんな風に姫を気遣う私は忠実な家老として彼女に認められている。はずだ。
難度Aへの挑戦
気まぐれな小夏とのスキンシップはその状況によって撫で方、場所、強さ速さを柔軟に切り替える熟練の技が必要だ。難度Aの彼女だが、満足した表情を見せたときの達成感もひとしおである。
私はこれを会得するのに2年をかけ、5年になろうとしている今も修行は続いている。
「今よはやくポンポンして」
「そうよそこそこハニァン⤴」
まとめ
一人っ子で好き放題過ごしてきた銀が猫として猫と暮らす(よくわからんが)ことができるのか、どんな風に変わってしまうのか不安だったが、小夏はうまいこと銀のプライドを傷つけずに懐へ入り込んでくれた。
他の猫だったら銀が反発してこうはならなかったかもしれない。これは我が家でよく語られる話である。
小夏は空気のおいしい田舎で保護された子だ。私は時折、草原で走り回っていたほうがこの子にとって幸せだったのではないかと思う。
でも彼女は一人寂しく暮らす銀に寄り添うために、そこを離れてわざわざこの家に来てくれたのだ。
そんな小夏との縁を大切に、私は今日も姫に尽くす家老として精進していくことを誓うのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?