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特集 PART1 環境 カーボンニュートラル支援の初動対応

 カーボン・ニュートラルへの対応は、環境負荷の削減だけでなく、中小企業の事業継続の観点からも重要な取り組みである。取引先等からの要求が増加している中、これに対応できない企業は取引機会を失うリスクもある。本稿では地域の中小企業が持続可能な成長を遂げるため、金融機関の担当者が知るべき中小企業のカーボン・ニュートラル支援のポイントについて解決する。
                                                                             中小企業診断士 高鹿 初子

1 カーボン・ニュートラルとは何か

 気候変動に関する世界的な取組みが加速するなか、今後、産業構造や社会経済の変革が起こり得る。日本でも2050年カーボン・ニュートラルの実現、さらに中間地点である2030年の約50%のCO2排出量の削減を宣言しており、中小企業もまたサプライチェーンの維持、ひいては地域経済のサステナブル維持・支援からカーボン・ニュートラルの取組みが求められる。
 カーボン・ニュートラルとは、二酸化炭素(CO2)の排出量を実質的にゼロにすることであり、地球の気候変動を防ぐため、企業や地域が推進すべき重要な取り組みである。CO2排出量が多い大企業だけでなく、中小企業でも、CO2の排出量を削減することが求められる。CO2の排出量は、活動量×排出原単位で算定することができ、「活動量」とは、使用した燃料の量、生産時のエネルギー利用量などである。
 カーボン・ニュートラルの実現は、世界150 か国以上で対応されることになっており、日本だけの問題ではなく、世界での活動である。何も対策せずに嵐が過ぎるのを待つ、ということが許されない活動である。
 図表にカーボン・ニュートラルの取組みのステップを示した。①知る、②測る、③減らす、そして、これらの活動を④続けて、中間地点の2030年、最終的に2050年のカーボン・ニュートラルの実現を目指すことになる。企業の取組みには、自社のCO2排出量を削減するだけでなく、取引先のCO2排出量削減に貢献する活動もある。

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