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成長が遅かった私

最近、ふと思い出したこと。
もう、あれから10年以上が経過している。

「およそ3年くらいの成長の遅れがある」
診断の結果言われたこの言葉。
中学生の時だっただろうか。

私は歩き始めたのも1歳半を過ぎてからで、幼稚園、小学校の時も、他の子と比べて泣く頻度が高いなど幼さが目立っていた。

私はその都度、親から怒られた。とにかく親の私に対する苛立ちは物凄いものだったのだと思う。でも改善の兆しが一向に見えなかった。

特に身長が顕著で、とにかく他の子と比べて伸びなかった。学年を重ねるごとに周りに抜かれていく。幼稚園の頃は比較的背が高い方だったが、小学校高学年になる頃には、平均以下にまでなっていた。周りの成長に、私は追いついていなかった。

私には2歳下の弟がいるが、声変わりが弟の方が早かったといえば、成長の遅さが何となく分かるだろうか。

ついにストレスが最高潮に達し、精神的にも不安定になっていた母は、父の反対を押し切り、医師の元へ私を連れて行った。
いくつかの検査をした。何回かに渡ったと思うが、このあたりの記憶はない。

その結果が、「成長が3年遅い」であった。思春期遅発症。
学年上は中学1年生でも、身体や精神は小学4年生レベルということだ。
それなら仕方ないだろう。そんなんで周りとうまくやれるわけがない。

原因は遺伝的なもので、治療もできなくはないが、単に遅れているだけなので、自然に成長するのを待つのが良いのではないか、そう言われ治療は見送った。

結局私は、高校生になってから身長がぐんと伸びた。高校3年生の終わりにやっと声変わりが始まった。完了したのは大学生になってからだ。
面白いことに、高校卒業後に高校時代の同級生に会うと、「背伸びた?」と聞かれる。
大学卒業時にはさすがに身長の伸びは止まったが、最終的には181センチ。
結果だけ見れば、まあ高身長の部類だろう。

大学生になって、初めて身体が高校生になったようなものなので、当然、学生時代なんてうまくいくわけがない。
ある意味当然だった。

社会人になってもこんな感じで、今やっと5年目だが、おそらくレベル的には2年目くらいなのだろう。

ただ、社会人になってしまえば、年次なんて関係ない。
誰が何年目なんて、どうでもいい話だ。
また、ある意味で私は、同学年よりも若いのだと考えられる。

成長が普通であるなら、それに感謝すればいい。
普通であるということは、実は一番難しいことなのである。

逆に早熟タイプの子は、スタートダッシュで優位に立てる。追いかけるよりも、逃げ切る方が簡単なことも多い。先行逃げ切りで、そのまま突っ走れば良い。一度遅れをとってしまうと、追い抜くのは難しいのはマラソンと同じだ。

即戦力としてスタートから突っ走っても良し、素材型としてじっくり時間を掛けても良し。人間それぞれ個体差があるのだから、スピードも違って良いのである。

晩成型の場合は、とにかく時間が掛かる。
じっくりと様々な経験をして、少しずつ進んでいくしかない。

私はまだまだ若い。
上手くいかないことばかりだけど、頑張ろうと思った。

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