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包茎、どこから手術が必要?

男として生まれて来て一番最初に悩むのが『自分って包茎なのか?これじゃあモテないって聞くし、将来このままじゃ恥ずかしい…どうしよう…』なのではないでしょうか。

今回から専門的な内容を書いていこうと思います。言葉も医学的な言葉になります。なるべく皆さまが読んでいて不快にならないような言葉選びをしていこうと思っていますが、こういった話はちょっと気分が悪くなる…という方はどうぞ見送って下さい。でも私は女性にも読んで欲しいと思っています。

それは、偏見やただの噂話の事もありますし、将来男の子のママになった時に正しい知識を持ってお子さまに接して頂きたいと思っています。小さい頃からきちんと正しい性教育をしていけば、お子さんが余計な事で悩んだり、ひとりで抱え込んだりしなくて済むからです。「包茎?そんなの日本人の7・8割はみんな包茎よ〜気にしなくていいのよ。ただその事で悩むのであれば一緒に考えてみる?」と話せる関係が私は理想的だな。と思います。

もしその時困ったら、是非私の所に相談に来て下さい。一緒に考えていきましょう。

今回は一番ご相談の多い『包茎』について書いていきます。

包茎にも沢山種類があります。

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1、包茎とは?

『包茎』とは勃起していない時に、包皮が亀頭を覆っている状態を指します。ペニスの全長に対して相対的に包皮が長ければ包茎になります。

2、包茎は手術が必要?

それは包茎の種類と重症度によります。

3、包茎の重症度とは?

重症度は何で決まるのか?という問いに、一番多い回答は、『皮の余り』です。余りが少なければ勃起した時に剥けますし、余りが多ければ勃起しても被ったままになります。しかしそこに皮の余りの長さは重要ではありません。私は『皮の余り』よりも、『皮の先端の狭さ』が重症度に一番大きく関わってくると考えています。

4、大事なのは皮の先端の狭さ

勃起していない時に被っている方は(例えば子どものおちんちんもそうです。)先端の皮は狭くないですか?

指を使って剥いてみた時に、先端の部分が竿をぎゅーーーーっと締め付けたりしませんか?

大なり小なり締め付けがある事はあります。剥いた状態で勃起しても、締め付けを感じなければ手術が必要な状態ではありません。

勃起した途端に剥けなくなる。勃起していなくても先端の狭さが引っかかって剥くことが出来ない。この狭さの程度が重症度に関わります。

5、では手術の必要な状態とは?

ずばり

1、勃起していなくても剥くことが出来ない。特に、排尿すると亀頭と皮の間に尿が溜まって膨らんでしまう程、皮の狭窄が強い方

2、勃起するたびに狭い部分の皮膚が広げれ、裂け目ができ、だんだん狭さが増してきてしまう方

3、剥くことはできるけど、定期的に先端の皮が赤く腫れ、炎症を起こす方

4、剥いた状態で勃起したら締め付けが強くなりすぎて、皮を戻したくても戻せなくなる方  

です。このような方は手術が必要な状態です。

6、ではなぜ手術が必要なのか

5−1 これは『真性包茎』と言います。成人してから皮は伸びないので、狭窄が解除されることはありません。特に尿で膨らむ方は要注意です。排尿のたびに膀胱・尿管・腎臓内の尿に貯まる部屋、腎盂の圧力が上がるため、だんだん腎機能が低下する可能性があります。これは迷わずすぐに手術を考える事をお勧めします。

5−2 糖尿病の方に多いです。裂けた皮は必ず治りますが、傷が治った部分は固くなり、伸びにくくなります。これを繰り返す事でだんだん剥きにくくなり、放っておくと上記の5−1に移行しかねません。

5−3 『亀頭包皮炎』と言います。これも糖尿病の方に多いのですが、炎症をよく繰り返すのは生活の質を下げますし、炎症を起こした皮膚は弱いため、5−2にも移行しやすいです。

5−4 『嵌頓包茎』と言います。狭窄のせいで亀頭に入った血液が身体に戻ってこられず、どんどん亀頭とその周りの包皮が腫れ上がります。そのため更に皮を戻せなくなるという悪循環に陥ります。放っておくと亀頭壊死を起こすので、すぐに病院に行かなければなりません。

7、では、治療とは?

狭い部分がある方は、その狭い皮を物理的に切除します。それが包茎手術です。狭い部分のみを切り取って、狭くないところを縫い合わせていき終了です。それほど難しい手術ではなく、泌尿器科で最初に覚える手術の一つです。

8、包茎の美容手術って?

上記の手術では、狭いところはなくなりますが、傷が目立つところに残ることが多いです。それをなるべく傷が目立たないように仕上げる手術になります。狭いところを切り取るのは前提ですので、窮屈感もなくなります。

最後に、どの手術を選べばいいの?

包茎に悩む方の考え方次第です。機能的に狭いところを取る、それで十分だと思います。上記の1や3、4は、一般泌尿器科では保険診療を使って手術が受けられる可能性も高いですので費用も抑えられます。

しかし、二重手術やお鼻の手術、豊胸の手術もそうですが、ご本人が見た目に拘るのであれば美容的な手術を考えてもいいと思っています。その場合は単に皮が長くて狭窄がない方も手術適応になります。しかし保険適応にはなりません。

手術を考えるとしても、とても勇気がいる事です。まずは是非ご相談だけでもいらして下さい。必要性や手術を行う場合は手術方法・術後の見た目・合併症なども含めて、丁寧にご説明致します。

自分のコンプレックスを誰かに話すのはとても勇気のいることだと思いますが、一人で悩まず一緒に解決していきましょう!

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