♯3 突進
年長になったハルは相変わらず活発でお友達によく怪我をさせては謝っての日々を送っていました。
もちろん嫌厭される事もありましたが、気にしてもしょうがない。理解のあるママさんや先生のご協力のおかげでなんとか保育園生活をおくっていました。
この間に病院に行き色々な検査や訓練をしていましたが、主治医は気にしすぎの一点張りであまりうまくいってなかったように思います。
そんな日々を送っていたある日、運命の出会いが訪れます。
小学校の横を家族で歩いているとサッカー少年団の活動が見えました。これがハルの所属するチームになるとは思いもよりませんでしたが。
見学してみる?
ADHDの疑いがあると聞いたその日から色々な本やネットで勉強をしていましたが、散見する「団体タイプのスポーツは向いていない」というフレーズ。私が諦めるのに十分な言葉だったのですが…。
サッカーをやって欲しい気持ちはまだ捨てきれてなかったようです。
ハルはこの時よく分かっておらずに見ていくと。楽しそうだったんでしょうね。
校庭に入り、おじいちゃんコーチに見学したい旨を伝えるとどうせなら混ざっていけば?と言ってくれました。後にわかるのですがー。
このおじいちゃん実はこのチームの代表でした笑
ちょうどミニゲームをやっていたので混ざらせてもらうことに。
女子が2人いて新鮮でしたね!自分達の時は女子は全くいませんでしたから。
不安と期待が混ざり合う中見守っていたのですが事件は数分で起こります。
とにかく突進するんです。
ボールにもゴールにも人にも。
怪我させやしないかハラハラドキドキの夫婦2人。保護者の勧誘を軽く流しながらも心配で心配でずっと見守っていました。
代表「このくらい勢いあるのは良いね!負けないよ」この言葉は私のコーチングに今も活きています。
そしてやります。
思いっきり足を引っ掛けー
まさかの女子を転ばせてしまいました。
スピードに乗っている最中での出来事でしたのでその子は泣いてしまうし、ハルはどうしていいか分からず。
やはりダメか…
絶望感も背後に投げ捨てとにかく謝りに行かなくては。
私「申し訳ございません!お怪我ないですか!ごめんなさい!」
今まで散々色々なところで謝ってきましたが、相手が女子は初。とにかく謝らなくては。土下座したいレベルです。
代表「大丈夫だよ。いいじゃない、体も強くて!
サッカーやりなよ!」
こんな言葉も耳に残ったものの、とにかく今はこの場を去りたい一心。
保護者の方にも深く謝罪をし、校庭を後にしました。
真っ暗ですー。
不安が確かになって悲しい感情が頭を覆いました。
この子の人生にはこの先、こんな事がずっと続くのかと。
どうしていいか分からないまま、また一日一日を過ごしていきます。
暗くなったので明るい話を。
その転ばしてしまった女子、同い年の子なのですが
今ではハルのよき理解者で最高のチームメイトです!
サッカーの日はいつも2人は一緒。
さらにプレイ中の2人の呼吸はとても気持ち良いサッカーをしてくれます!ソウルメイトってのが一番合うかな?
本当に感謝。
次回は本格的な入団になります。
つづく
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