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旅路

長男の小学校卒業が近づいているので、いつになく感傷的になっている。きっと彼にも思うところがあるのだろう。と、勝手に思ってまたちょっと寂しくなってしまう。「ああ、大きくなったんだなぁ」とそんな当たり前のことを思って胸がつまったりする。感傷のループにどっぷりはまっている。そんななか藤井風の「旅路」を聴いている。

今日は3月11日。色々な人の色々な思いが交差する日だ。私は阪神大震災で被災し、突然に目の前のすべてが奪われた、あの光景を忘れることはない。今もあの時の気持ちを語る言葉を見つけられないでいる。何年たっても整理できない思いもあるのだ。

被災され今も苦しみのなかにある人に、「頑張って」なんてとても言えない。「頑張って」と言われれば励まされる人もきっといる。でも、当時私はずっとどこか心地の悪い思いで「頑張って」と繰り返されるメッセージを聞いていた。それでも今は、被災された方々に心を寄せたいと思っています。つらいのは自分だけじゃないと思って、少しでも前へ進めるように。

ここにいる私たち、そして今はもう会えなくなった人たちにも、あたたかな光が降り注ぐ一日でありますように。そして私たちはまだ先の長い旅の途中なのだ。

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