甲状腺がんだって⑤手術当日

2018年6月11日 前夜は寝られないと困るので睡眠導入剤をもらって飲む。わりとしっかり寝て、朝6時に起こされる。禁食かつ飲水も7時までと言われ、できるだけ多く水を飲んでおくように言われる。8時すぎに点滴の針を入れにくる。針入れがうまい看護師さんで、ちょっとシニカルでおもしろい人だった。9時すぎに手術着に着替えさせられる。短い術着にバースショーツで足元がスースーする。

9時半前に手術室の看護師さんが迎えに来て、手術室へと移動。看護師さんがファンキーに派手な術着を着ていて、なんのためにこんな派手なのかを思わず聞いてしまう(なごませるためだと思うけど、私たちもちょっとなあ、と思っていると言われる)。手術室で少し待たされたので室内を眺めているが、なんか給食室みたいな感じだなあと思う。リノリウムの床とステンレスの什器のせいか。

手術台に乗り、横たわる。50㎝幅くらいしかないのでものすごく狭い。タオルをかけられてあっという間に術着を脱がされ、心電図などもろもろを装着。点滴が始まり、もう少しで天井が回り始めますよ言われ、本当に回ってきました、と口にしたところで記憶が途切れる。

名前を呼ばれて3回深呼吸してくださいと言われて目が覚める。とにかく眠くてしょうがなくて、またすぐ目を閉じる。次に気が付いたときには人工呼吸器の管も抜けて、もう病室に戻りますからねーと言われる。言われていた吐き気や寒気は一切なし、喉にひどい風邪のときのような痛みがあるのでその旨を訴えると、1週間くらいでとれますからねーと軽く言われる。時間を聞いたような覚えがある。

ストレッチャーで運ばれるが、少し揺れて酔いそうになる。病室につくとせーの、とベッドに移されて酸素マスクや心電図、点滴や足のマッサージ機などたくさん取り付けられて3時間は安静に、と寝かせられる。うとうとするけど15分おきに血圧はかりにくるし、寝られたもんじゃなかった。少し痛みがあるが、痛み止めは坐薬と聞いていてどうしてもいやだったので我慢する。我慢できる程度だった。傷口にのせられたアイスノンが重くて痛い。声は出るがしゃべるのがおっくうで声を出したくない。喉につばが流れ込んで呑み込まなくちゃいけないので、その度に少し痛んだ。

3時間後酸素マスクなどが外れ、着替えて水を飲むため起き上がるように言われる。首と体を一緒に動かすのがどうしてもうまくいかず、また動かした際に痛みがあったのでようやく痛み止めをもらう。点滴での投与だったので早くうってもらえばよかった。だいぶ楽になり、もう一度起き上がりにチャレンジする。どうにか起きて着替えさせてもらい、点滴を引きずってトイレに立つ。最初の飲水はむせることもなく無事に終わり、その後少し起きたままでいた。

早く寝ようと思うも夜にもう一度点滴があり、2時間おきくらいに血圧と酸素飽和量を測定しにくるので、うとうとしては起き、を繰り返す。寝返りが打てないので首から肩にかけて信じられないくらいにガッチガチになり、湿布を貼ってもらった。

※人生で最高に辛い3時間だった。ちなみに手術前にジムにおいたポケモンが50コイン稼いできてくれて嬉しかった。どんなひどい状況でもよいことはある。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?