歯のインプラント手術2019

自分が人生で一番お金かけているのは旅行で、二番目はたぶん歯だ。3か月に1度の定期健診に通い、大体なんか見つかって先生と顔を見合わせてまたか……となる。特に根の治療は生まれつき神経の管がものすごくわかりづらいらしく、保険内治療ですみません……と謝りたくなるくらいに手間のかかる治療を半年近く受けるはめになる。
今年はインプラントが1本増えた。甲状腺の手術後の体力低下時に暴れた奥歯を抜く羽目になり、その傷が癒えるのを半年待ってのオペだった。
インプラントはもう3本目で、1本目は10年以上前。そのときの手術はまさに道路工事としか言いようがない壮絶さで、部分麻酔で鎮静剤も入れないのに、わざわざ麻酔医を呼んで1時間みっちりかかる手術だった。手術終わるまで具体的にどんなことをするかの説明はされず(されていたらきっと怖くて受けられなかった)、ドリルで穴開けてるな……というのが途中で分かり、痛みはまったくないが拷問のような時間だった。2本目はその3年後くらいで、このときは麻酔をかける時間を除けば15分くらい、ずいぶん楽になったなあという感じだった。実際に埋め込んだ人工歯根は1本目は細くて長かったが、2本目は短くて太かった(レントゲンで確認しただけです)。
さて、3本目の話であるが、劇的に楽になっていた。オペの前にCTを取り、どこの位置にどの深さで埋め込むかを自動で計算し、それに合わせて人工歯根を打ちこむとのこと。先生曰く、根っこの治療よりも数倍簡単ですよ、と。ちなみにこのCTで前歯の根の感染が分かり、こちらの治療のほうがよっぽど大変だった。
手術時間は麻酔→麻酔待ちに15分~20分、オペ自体は10分程度、一応様子見で20~30分とどめられる、という感じだったので、大体1時間半見ておけばお会計まで終了。穴をあけている時間はほんの少しだったように感じた。始まる直前に痛み止めを飲み、帰って寝る前にもう1錠飲んだが、腫れもなくちょっとうずく程度だった。ただし、自分が横向きに生えている親知らずを抜いたときでも一切腫れなかったので、他の人はわからない。その夜はおかゆ、次の日から普通に食べて飲酒もしていた。
1月末にこの手術を受け、しっかりくっついてから義歯を入れるために歯肉を切る二度目のオペを受けたが、こちらもどうってことはなく終わった。完全に歯入ったのが7月半ば、歯を抜いたのが昨年8月なので、ほぼ1年がかりだった。歯が抜けたままの状態だと反対の奥歯に負担がかかるようで、たまに痛かったり違和感が出たりする。歯を植えたあとは特に不具合もなく、自分の歯と変わらない感覚で噛めている。
支払った額は1本で40万弱。金額的には大きいが、毎日、死ぬまで使うと考えると、少しでもストレスなく噛むためのお金と思えば納得がいく。私の口の中には軽自動車1台分を超える金額が埋まっているんだなあと思うと、ちょっと泣けてくるが。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?