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FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 081:追悼特集

さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第81回(2023年4月14日(金)20時~
(再放送:4月16日(日)19時~)

清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。

今週はまたまたの追悼特集です。実に悲しい状況です。先月あたりに亡くなられたミュージシャンを何人か追悼しながら聴く特集ですが、もうこれ毎月やらないといけないかなというペースになってきてしまいました。どうしても団塊の世代と同じ人口が多いあたり、太平洋戦争の戦中戦後生まれのベビーブーマーたちが高齢化しておりますから仕方がないのでしょうか。坂本龍一さんの訃報が舞い込む前に収録したものですから、彼は取り上げておりません。

1曲目
「Birdland」Weather Report (1977)

2曲目
「Para Oriente」V.S.O.P. (1979)

まずはもう少し上の世代ですが、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズやマイルス・デイヴィスのクインテット、それからウェザー・リポートやVSOPなどで活躍しましたウェイン・ショーターが3月2日に亡くなりました。1933年8月25日生まれということで、享年89歳、大往生です。どんどん新しいことにチャレンジした偉大なるサックス奏者であり、コンポーザーです。彼を追悼して、1977年の、ウェザー・リポート「ヘヴィ・ウェザー」から代表曲「バードランド」を、そして1979年の豪雨の田園コロシアムでのライヴ音源VSOP「ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」から「パラ・オリエンテ」の2曲をご紹介しました。

3曲目
「She Took My Romeos」David Lindley (1981)

3月3日には、マルチな弦楽器奏者のデヴィッド・リンドレーも亡くなりました。1944年3月21日生まれ、享年78歳でした。アメリカーナやルーツ・ミュージックのシーンでは最重要人物のお一人でした。ジャクソン・ブラウンのバンドでの活動が特に有名ですが、80年代には自身のバンド、エル・ラーヨ・エキスを率いて、楽しいアルバムをどんどんリリースしてくれました。ここではまず、パイオニア・ランナウェイのテレビ・コマーシャルで使われた「僕のロミオ」を7インチ・シングルでご紹介しました。

4曲目
「Mercury Blues」David Lindley (1981)

5曲目
「Texas Tango」David Lindley & El Rayo-X (1988)

デヴィッド・リンドレーにはジャクソン・ブラウンの「レイト・フォー・ザ・スカイ」といった名演もありますが、ここでは本人名義の音源を優先します。1981年のファーストから「マーキュリー・ブルース」、そして1988年の「ヴェリー・グリージー」から「テキサス・タンゴ」の2曲をご紹介しました。弦楽器で文化を語れるのは、彼とライ・クーダーくらいのものでしょうか。テックス・メックスに関しては第一人者でしょう。惜しい人を亡くしました。

6曲目
「Don’t Misunderstand Me」Rossington Collins Band (1980)

7曲目
「Sweet Home Alabama」Lynyrd Skynyrd (1974)

3月5日にはレイナード・スキナードの最後の生き残り、ゲイリー・ロッシントンが亡くなりました。1951年12月生まれですから享年72歳、早いです。1977年10月20日にチャーター機が墜落してヴォーカルのロニー・ヴァン・ザントやギターのスティーヴ・ゲインズといったメンバー3人が死亡、他の連中も大怪我をしてしまいました。レイナード・スキナードは、ロニー・ヴァン・ザントの弟のジョニー・ヴァン・ザントをヴォーカルに据え、ブラックフットのリッキー・メドロックなどが加入して現在も活動しております。レイナード・スキナードでは、亡くなったスティーヴ・ゲインズがフェンダーのストラトキャスターで、ゲイリー・ロッシントンがギブソン・レス・ポール、アレン・コリンズがギブソン・ファイヤーバードとギターの機種を使い分けておりました、世にも稀なトリプル・リード・ギターというバンドでした。

ゲイリー・ロッシントンとアレン・コリンズはある程度ケガが回復したところで、ロッシントン・コリンズ・バンドを立ち上げますが、アレン・コリンズの方はケガが酷くて、あまりロクな活動もできず、しかもその後に彼女を交通事故で亡くしたりということもあって、もうボロボロになっていってしまい、1990年1月に亡くなってしまいます。そんなこともあってロッシントン・コリンズ・バンドはアルバム2枚で終了。その後、ゲイリー・ロッシントンはロッシントン・コリンズ・バンドのヴォーカル、デイル・クランツと結婚してバンド名をロッシントンにしたり、ザ・ロッシントン・バンドにしたりしながら活動を続け、その後、レイナード・スキナードを復活させたわけで、亡くなるまでレイナード・スキナードで弾いておりました。レイナード・スキナード、大好きでしたから、何だか本当に気の毒でなりません。ここでは、ロッシントン・コリンズ・バンドのシングル・ヒットと、レイナード・スキナードの大ヒット曲をご紹介しました。

8曲目
「Introduction ~ Peter’s Theme」V.A. (Peter And The Wolf) (1976)

3月9日にブランドXのキーボーダー、ロビン・ラムレイが亡くなりました。1948年1月17日生まれ、享年75歳。ブランドXは変態バカテク・バンドですが、ギターのジョン・グッドソールも2021年11月に亡くなりました。ロビン・ラムレイはやはり「ピーターと狼」が忘れられません。「ピーターと狼」はセルゲイ・プロコフィエフが作曲した交響曲的な物語なんですけど、ジャック・ランカスターとロビン・ラムレイが中心になってロック・オペラ的に作ったアルバムが1976年にリリースされるんです。如何せん豪華なメンツでした。ピーターがマンフレッド・マンだったり、鳥はプロコル・ハルムのゲイリー・ブルッカー、ダックはクリス・スぺディングにゲイリー・ムーア、猟師がビル・ブルフォードに、コージー・パウエルに、フィル・コリンズだったりします。ナレーションはボンゾ・ドッグ・ドゥ―ダー・バンドのヴィヴ・スタンシャルでして、ここでちょいと色物的要素が見え隠れするんですけどね。

9曲目
「Nuclear Burn」Brand X (1978)

ブランドXの方は、ご存知の方も多いとは思いますが、ジャズ・フュージョン・バンドとも言われますが、バカテク・プログレ・バンドとも言われるちょいと難解な連中です。基本はジョン・グッドソールのギター、ロビン・ラムレイのキーボード、パーシー・ジョーンズのペース、そしてフィル・コリンズのドラムスという構成です。最初はフィル・コリンズのサイド・プロジェクトなのかと思ったら、とんでもない、えらい実力派の連中がバチバチ火花を散らしているような、とんでもないテクニック志向の強いバンドでした。

10曲目
「Special To Me」Bobby Caldwell (1978)
11曲目
「What You Won’t Do For Love」Bobby Caldwell (1978)

3月14日にはAORの代表的なシンガー、ボビー・コールドウェルが亡くなりました。1951年8月15日うまれ、享年71歳ということでした。少し前から車いすの姿や闘病生活のレポートがSNSなどに上がっておりましたから、驚きはしませんでしたが、「続くなあ」と悲しくなってしまいました。彼のファースト・アルバムはAORを代表する名盤です。そこから2曲をご紹介しました。

12曲目
「Leather Jacket」Mick Taylor (1979)

3月22日に、もう一つ、悲しい訃報が飛び込んできました。英国で活動している日本人ベーシストのクマ原田さんです。ヴァン・モリソン、ミック・テイラー、ケイト・ブッシュといったあたりのアーティストをバックアップする名うてのベーシストです。ここではミック・テイラーのファースト・ソロから「レザー・ジャケット」をご紹介しました。

次回はリクエスト特集です。お楽しみに。
番組へのご意見やお便りをください。
voice@fm840.jp

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