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生きてる実感がないの。

「生きてる実感がないの。」

小学校で仲良しな3人。
今年、1人が転校して、夏休みが来た。

そこで久々会う約束をして、
海で、キャンプをする事になった。


その内の1人の家族が、
キャンプ用品の準備、移動、面倒を見てくれた。


「生きてる実感がないの。」


その言葉を聞いた2人は、
顔を見合わせている。


「どうしたの?」
「何かあったの?」


2人は、話を聴き、
どうやら、いじめを受けているようだと思った。


そこで、2人は、
「今度こんな事されたら…..」
「こんな時には…..」


と知恵を絞って、アドバイスした。



それを聴いた子は、
すこし明るくなった様子で、
また3人で一緒に、海で泳ぎ始めた。


夏休みが明けたら、
また、転校した1人は、別の日常へ帰っていった。


あの子は、いまどうしているだろうか。


暑い日差しの中で、
小麦色に日焼けしたその子は。


夏休みの宿題。
作文は、キャンプの思い出を書いた。


「生きてる実感がないの」


あの言葉は、なんだか、詩的な感じで、
掴みどころがなくて、
どこか、遠くへ行ってしまう人の言葉みたいだった。


でも、作文には書かなかった。


楽しい夏の思い出を綴ったら、
なんとなく、あの子も元気にやれそうな気がした。





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