「日本とベトナムの架け橋になる」とはどういうことか?
こんにちは、かいとです。
さて、よくフリーペーパーや新聞・雑誌、さらに求人募集などでも良く出てくるというフレーズ
「日本とベトナムの架け橋になる」
について考えてみたいと思います。
人がどうやって架け橋になるのだろうか。
カービィや男塾のように人と人が繋がって、橋を渡すのでしょうか?
まぁ、無理ですよね・・・(笑
えっと、
「人が架け橋になれるわけないだろ!!」
ってつまらないツッコミをいれたいわけではないです。
だけど、
「日本とベトナムの架け橋になる」
って安易に使われすぎていないか?
そもそも、意味をわかって使っているの?
ってところが気になります。
ここから深掘りしてみましょう。
「日本とベトナムの架け橋になる」とはどういうことか?
さっそく、核心から迫ってみます。
「日本とベトナムの架け橋になる」
とはどういう状態を意味するのでしょうか?
ベトナムと日本は4000キロ近く離れているので、海に橋を架けることはできません。
では、
「日本とベトナムの架け橋になる」
とはどういう状態でしょうか?
橋の役割とはなにか、ということを考えればみえてきます。
橋は、離れた陸どうしを結ぶ建造物で、人や物の行き来に使われます。
しかし、日本とベトナムは距離が遠すぎるため、橋を架けることができません。
そのかわり、橋の役割をはたす代替物が必要です。
現代では、「人を運ぶ飛行機」、そして「物を運ぶ船」が橋の役割をはたしています。
ベトナムと日本を往来する飛行機と船
これが、具現化された橋の役割といえます。
じゃあ、
「飛行機と船が日本とベトナムを繋ぐ架け橋だ」
という結論でよいか。
そんな話では、冒頭の
「人は架け橋になれない」
というつまらない話で終わってしまいます。
人が架け橋になるとは?
「日本とベトナムの架け橋」
という文章は、具体的な文章でしか無いのに、ひどく抽象的な意味合いを含みます。
なぜかというと具体的には実現不可能な言葉なので、「日本とベトナムの間に入ることをするんだな」という意図は伝わるものの、受け手によって印象が変わる文章です。
まぁ、大言壮語/美辞麗句と言ってしまえばそれまでですね。
で、ここからは僕の考え。
「人は架け橋にはなれないが、橋を増やすきっかけにはなれる。」
上に説明したように、橋は人や物が移動するために陸の間を結ぶ建造物です。
でも、日本とベトナムには橋が架けられないので、飛行機や船がその代替物として利用されています。
では、たとえ話として、日本とベトナムに橋を架けられるとしましょう。
そして、日本とベトナムの架け橋になる人が増えたらどうなるか?
あちこちに日本とベトナムに橋が架かるわけです。
しかし、橋を架けても、人や物が移動しなければ、橋の役割を果たせません。
では、架け橋になる人がやるべきことはなにか?
橋を架けることではなくて、
「向こう岸へ渡りたい!!」
ということを増やすことです。
日本へ行ってみたいベトナム人を増やす。
ベトナムへ行ってみたい日本人を増やす。
大陸間を移動したい人が増えることで、飛行機や船の往来が活性化して、経済が循環し、本当の意味での
「日本とベトナムの架け橋をかける」
ことができるわけです。
そういう意味では、いつも批判対象になっている「外国人研修制度」も「日本とベトナムに架け橋」一役かっています。
「日本とベトナムの架け橋」になる方法
上記に書いたように
「向こう岸へ渡りたい!!」人を増やすことが「架け橋」の仕事だとしたら、何をすべきなのか。
人同士のつながりを広げる。交流を増やす。
コンテンツを通して、興味を持ってもらう。
技術を伝える。
1.人同士のつながりを広げる。交流を増やす
日越交流会などで日本人とベトナム人の交流を図ること。
また、ベトナム人が日本で暮らす、日本人がベトナムで暮らすことで、人との繋がりができます。
ベトナムへいる友人へ会いに行く、日本へ帰国した知人に会いに行く、そういった目的で大陸間移動が増えることで、架け橋の役割を果たせます。
そう考えると、日本とベトナムの架け橋は大層なことではなくて、ベトナムへ渡った日本人の誰もが架け橋の役割を果たしています。
2.コンテンツを通して、興味を持ってもらう。
国の文化というと仰々しい感じなので、コンテンツという方がわかりやすいかと思います。
【日本のコンテンツ】
日本食(寿司)/桜/富士山/アニメ/忍者/侍/高賃金(最近はそうでもない・・・)/教育
など
【ベトナムのコンテンツ】
アオザイ/ベトナム料理(フォー)/南国/リゾート/低賃金(最近はそうでもない・・・)/物価安/労働人口
など
最近のベトナムは、日本のアニメや漫画が普及しているので、アニメや漫画を通して日本に興味を持つ若者も増えています。
ベトナムは魅力的な観光地もありますが、低賃金で労働人口が多いなど、工業国としての魅了もあり、生産の地として選ばれています。
賃金の話としては、日本の高賃金はウソではないですが、過剰広告に騙されて借金をしてまで日本へくる実習生制度といものもあります。
両国のコンテンツを正しく伝えることが、架け橋になる人の役割と言えるでしょう。
3.技術を伝える。
また、実習生の話になりますが、たとえ実習生が辛い目にあったとしても、ベトナムでは習得できない日本の技術を身につけて帰国することができれば、彼は「架け橋」としての役割を果たせます。
日本へ渡ったベトナム人で成功した例として、
檀 良(ダン・ルオン・モー)
という方がいます。
国費で東京大学へ留学し、卒業後東芝に勤めその後法政大学の教授をされた方です。
ベトナムでは半導体の第一人者で、ベトナムに戻ってからは、2005年に自分が国家大学ホーチミン校(Vietnam National University -Ho Chi Minh, VNU-HCM)の顧問になり、交換留学生などを通じて日本の技術をベトナムへ伝えています。
現在は、ベトナムで老後を送りながら、日本の書籍を翻訳して出版するなど、日本のコンテンツをベトナムへ伝える役割を続けています。
「日本を創った12人」を越訳して出版されたそうです。
「日本とベトナムの架け橋」
とはこういう人を言うのだろう、と思っています。
どんな橋を架けるか
橋には、善悪はないですが、美醜はあります。
竹で作った吊橋のような、一歩脚を踏み外せば下に落ちてしまう危険な橋もあります。何度も書くけど技能実習生制度なんてまさに危険な橋です。
「日本とベトナムの架け橋になる」
っていうけど、じゃああんたはどんな橋を架けたいの?
ここが大事だと思う。
どんな橋を架けるか描けていないなら、ただの大言壮語です。
言うなら、有言実行しないと。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?