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【レオニーに花束を】プロローグ
小学校2年生の夏休み、僕は初めて自転車に乗れるようになった。
自転車に乗れるようになった翌日、さっそく自転車に乗って、隣町にある祖母の家へ30分かけて一人ででかけた。
乗り始めなのでおぼつかない自転車。
僕は、何度か転んだ。
でも、なんとか祖母の家までたどり着いた。
その後の記憶はハッキリしていない。
だけど、よくわからない理由で、祖母に怒鳴られた。
転んだ拍子についた泥で、衣服が泥だらけになっていたのかもしれない。
とにかく、見た目について怒られたのは確かだ。
その夜、母は僕を連れて、祖母の家へ怒鳴り込みへ行った。
母は、祖母に対してすごく怒っていた。
物心ついたころから、感じていた違和感。
祖母の家へ行っても、なぜか我が家だけ浮いている。
母は、いつも自分の兄弟の悪口と妬みを言っている。
だから、自然と僕も親戚の子供達は仲良くならなかった。
従兄弟は多いが、子供の頃遊んだ記憶はほとんどない。成人してから、親戚一同が集まる機会があっても、会話さえない。
僕と僕の母は、親戚のなかでも浮いた存在。
それには理由があった。
しかし、小学生の僕には踏み込んではいけない気がしていた。
だから、母に対して深く詮索することもなかった。
ただ、父の存在については、何度か聞いたことがある。
母からのこたえは、
「生き別れ」
ということだった。
なぜ、母と父は生き別れたのか??
小さい僕には、それを聞くことはできなかった。
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