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ベトナム人は親日じゃないよ!「アジノモト!」だよ!

こんにちは、魁人です。
ベトナムは親日国だと言われますね。
確かに、政治的には日越はかなりいいパートナーになりつつあります。
それに付随するように、最近ベトナムでジャパンフェスティバルが行われたり、日本でベトナムフェスティバルが行われたりしています。
以前よりも日越交流が活発になっているのは明らかです。
それに、こんな記事も出回っていますから、ベトナム人みんなが親日だと勘違いしてしまう方は多いかもしれません。
この記事を読むと、ベトナム人の親日度が第二位です。
ベトナム、3年連続の親日度1位ならず―電通「ジャパンブランド調査」
ベトナムの生活を回してみても、ベトナム人が普段乗っているバイクは、日本メーカーのホンダやヤマハだし、朝から食べているインスタントラーメンは日本メーカーのビナエースコック。
子供が履いているオムツはパンパース。
日本メーカーのものでベトナムの生活は溢れかえっています。
だから、親日?
僕の実感からすると、ベトナム人で日本に対して特別に好意的な感情を持っている人はそれほど多くないです。
反日のベトナム人は、ほとんどいないと思いますが、親日のベトナム人がたくさんいるわけではないです。
「そんなことない。我が社のスタッフはみんな親日だ!」
という声が聞こえてきそうですね。
そうなんです。あなたの会社のスタッフは親日です。
だって、日本の会社で働いて、日本の良さを知っていますから。
あなたが一生懸命働いて、日本人の真面目さや優秀さを伝えていますから、親日になるはずです。
日本人がいるところには、自然と親日のベトナム人が寄ってくるから、気づくと親日のベトナム人に囲まれています。
でも、日本と関わりのない暮らしをしているベトナム人は、日本のことなんて「アジノモト」くらいにしか思っていませんよ。
ホーチミンを離れて、ベトナムの田舎に行けば、嫌というほど実感します。
日本人の神通力なんてものはありません。
僕が日本人だって紹介したら
「アジノモト!」
で一蹴されて終わりです。
それが、フツーのベトナム人です。
もちろん、話していけば、「ホンダ」や「おしん」も日本のものだというのは理解してくれます。
先日なんて、
「日本は中国の一部だろ」
なんていうお方に出くわして、白い目でみられました。
「いやいやそれは台湾だよ」
と周りの人がフォローしてくれましたが、中国人は嫌われているな-というのを実感しました。
ベトナム人の多くが「反中」ですが、「親日」のベトナム人はそれほど多くないです。
だって、ベトナム人が親日になる理由ってありますか。
僕の実感からすると、トルコ人の方が親日の人が多いです。
きっかけはエルトゥールル号遭難事件です。くわしくはこちら
【親日国】トルコと日本が絆を深めた4つの歴史的な出来事
あとは、台湾も親日が多いと思います。
教科書に出てくるくらい、歴史的なきっかけがないと、親日の人を増やすのは難しいですよ。
ベトナムの歴史の中で、日本てそれほど大きなポジションをいままで持ってこなかったから、教科書にほぼ出てこないはずです。
それでも、最近は日本政府の頑張りなのかわかりませんが、日本語を勉強しているベトナム人が段々増えていますね。
そういう親日のベトナム人に囲まれていると、そうでないベトナム人の考え方を知るきっかけがなかなかありません。
でも、所詮日本人は「アジノモト!」程度です。
だって、ベトナム人は情報弱者です。
日本が、1995年からずっとODA出資国第一位だなんて知っているベトナム人は、ほぼいません。
ホーチミンのタンソンニャット国際空港が日本のお金で、日本の技術で作られたなんて知っているベトナム人に出会ったことがないです。
国別データブック(PDF)(参考資料)
とはいえ、ベトナムは反日じゃないだけ、すごく助かっています。
ベトナムにいても、怖い思いはほぼしませんからね。
親日のベトナム人が増えるのは、今の10代が20代になる頃だと思います。
子供の頃に観たアニメは、大人になっても忘れませんからね。
今の「ナルト」や「フェアリーテイル」観ている少年少女が大人になる頃には、「アジノモト!」ではなくて「ナルト!」「ルフィ!」になっているかもしれません。
寿会

ベトナムの歴史で日本が登場するのは、第二次世界大戦になります。
日本軍がフランス軍を追い出したのですが、敗戦後、帰国できずにベトナムに残った日本兵がいました。
そして、ベトナム戦争がはじまってもベトナムに暮らし続けて、ベトナムの生活に溶け込こんだ元日本兵の会を【寿会】といったそうです。
ネットで調べてみたけど、ベトナム寿会は見つかりませんでした。
もちろん、元日本兵であれば今は90歳以上でしょうから、生存も難しいかもしれませんね。もしベトナムにまだいらっしゃるのであれば一度お話を伺いたいと思いました。
「だからなんなの?」
というと、一人一人の日本人がベトナム人とちゃんと接していけば、必ず親日のベトナム人が増えるはずだし、親日のベトナム人が増えれば日本人がベトナムで生活しやすくなります。
最初から、「ベトナム人は親日」という先入観をもって接するよりも、外国人としてお互いの文化を理解し合う姿勢が大事だということです。
ちなみに、上の日本兵は敗戦兵でしたので、ベトナムで命を永らえるためには、
「村の人々に愛される愛嬌と紳士的な態度」が必要だったそうです。
でないと、一文無しの日本兵なんて村に匿ってもらえずすぐ追い出されてしまいました。現代に生きる我々も、少なからず見習うべきところがあると思います。
なお、寿会についてはこちらの本で知りました。

人間の集団について改版 ベトナムから考える (中公文庫) [ 司馬遼太郎 ]

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