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武器としての国際人権 で「思いやり」と「人権」は別のものだと知ったお話。

Q?:そもそも、人権って何?
A?:自分の能力を発揮できるように助けを要求する権理

武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別
藤田早苗
を読みました。

きっかけは、こちらの記事です。

今年の1月以降に、なぜこの記事を知るようになったのか?
それは覚えていませんが、この記事を読んで、本を読もうと思ったのは事実です。

買おうと思っている本は、Amazon のほしい物リストで一元管理しています。
コメント欄に、本を知るきっかけとなった記事のURLや雑誌、見かけた書店と日付を入れるようにしています。
以前はほしい物リストに入れるだけでしたが、見返した時になんでこの本を登録したんだっけ? となることがあり、アップデートしました。

「要求する」権理って、どういうこと?

生まれてきた人間すべてに対して、その人が能力を発揮できるように、政府はそれを助ける義務がある。その助けを要求する権利が人権。人権は誰にでもある。

「武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別」19ページ

国連の高等弁務官事務所が、このように説明しているということです。
つまり、国連加盟国の共通認識(のはず)です。

きっかけとなった前述の記事にもありますが、
日本では車椅子を使っている人が無人駅を利用しようとした
だけで炎上してしまいます。

つまり「人権」=「思いやり」という認識なんです。
この本を読むまでは、私もこれに近い認識でした。

車椅子の方が無人駅を利用できるように整備するべきだけれど、
実際にはむずかしい。
コストパフォーマンスを考えると、
人口集中地域にホームドアを設置する方を優先した方が良い。

そういった考えです。

しかしそういった考えは誤りで、
日本が人権教育を疎かにしてきた
結果が今の状況ということです。

政府が遂行する義務は3つあるということです。

  1. 尊重義務

  2. 保護義務

  3. 充足義務

日本ではこれらの義務が十分に行われていない
と同時に
政府に義務があるという十分に理解されていない
というのが現状ということです。

尊重義務(respect)

人がすることを尊重し、不当に制限しないこと。
先ほどの車椅子で例えると、
車椅子を使っている人は介助者なしには外出してはならない
といった不当な条例を作ってはいけないということです(実際にあるか否かは別として)。

保護義務(protect)

人を虐待から守ること。
車椅子を使っている人は、使っていない人に比べて移動が不自由だから、危害を加えよう。
そんなことを考える人を取り締まるなどの策を講じるということです。

充足義務(fulfil)

人が能力を発揮できる条件を整えること。
車椅子を使っている人が、自由に移動できるようにするということです。

人権は、なぜ必要なのか?

上述のように、
生まれてきた人、全てにある権利
ということを理解する必要があります。

そして、それを
政府に要求する権利
であることを知る必要があります。

これらを理解することで、
自分の言っていることがわがままではない
当然の権利(主張)

と自信を持つことができます。

権利を主張すること。
それがそのまま社会基盤につながります。

車椅子を使っている人が自由に移動できるように、
あまねく段差をなくす
あまねくエレベータを設置する
どんな段差も乗り越えられる車椅子が作られる
様々な方法があります。

これこそが社会基盤です。

ちょうど今は統一地方選挙の前半戦が終わり、後半戦の選挙活動期間です。

現在、18歳以上であれば原則として誰でも投票権があります(一部投票が困難な状況の人もいます)。

昔は女性に投票権がなかったことは、ほとんどの人が学んでいると思います。
女性の投票権は闘争の上に勝ち取られ、社会基盤となったということです。

そして投票権を得るために闘った人たち。
この人たちはもちろん「自分」のことを考えて行動していました。
それ以上に「次の世代」への権利を獲得するために、行動していたと言います。

短期的な自分中心の考えもあるかもしれませんが、
長期的な他人への貢献も必要なのが人権ということができると思います。

じゃあ、どうするのか?

人権のために何かするのって、大それたことじゃないのか?

そんな風に考えるんじゃないでしょうか?
でも「人権運動」をしなければならないということではありません。

日常の「あれ、これって変じゃない?」を
解消するように考えるようにすれば良い
だけのことです。

こういった考えを持ち、
なぜそう考えるようになったか
説明できるようにすること

がとても重要です。

説明責任(アカウンタビリティ)を持つことです。

そしてこう言った「人権のレンズ」を持って見聞きしたことを
多くの人に伝えることです。

伝えたことで、賛否両論、百家争鳴となるでしょう。
そう言ったことから、社会基盤が作られていく。

私はそう考えています。

内容が盛りだくさんなので、是非とも読んでほしい。
そんな今日この頃。

「紙1枚」

#読書 #紙1枚読書法 #武器としての国際人権 #藤田早苗

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