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【小惑星プチ解説】マケマケ〜イースターバニーと呼ばれた創造神〜

今回は小惑星・マケマケについてプチ解説。

占星術の世界ではマケマケを「小惑星」と表記することがあります。が、天文学上は太陽系外縁天体という扱いです。

この記事は西洋占星術の視点からマケマケについて知りたい方向けに、あえて「小惑星」の表記にしています。


■マケマケの意味は?


マケマケという1度聞いたら忘れられない奇妙な名前。
この名前には、モアイ像で有名なイースター島が関係しています。
イースター島は現地の言葉で『ラパ・ヌイ島』。
この島に伝わるラパ・ヌイ神話で、人間を創造したとされるのが「マケマケ」という神です。
マケマケはラパ・ヌイ神話の最高神でもあり、豊穣神でもあります。 


発見当時は「イースターバニー」と呼ばれていた

マケマケを発見者したのはマイケル・ブラウンというアメリカの天文学者。

彼は冥王星が惑星から除外される理由となった、海王星以遠天体・エリス を発見したことで有名です。
他にもハウメア・マケマケ・クワオアーなどの天体を発見しており、そのエピソードは著書『冥王星を殺したのは私です』に記されています。
ちなみに彼のTwitter(X)のIDは『Plutokiller(冥王星殺し)』。


マケマケが発見されたのは2005年3月31日。
発見されたのが復活祭直後だったため、当初はイースターバニーと呼ばれていたんだとか。

また、ブラウン氏がマケマケを発見したのはイースター島(ラパ・ヌイ島)に初めてヨーロッパ人が上陸した283年後。

加えて発見当時、ブラウン氏の妻が子どもを身ごもっていたことから、ラパヌイ島の最高神であり、豊穣の神であるマケマケに縁を感じて命名されたのだそう。

余談ですがマケマケにはMK 2と呼ばれる黒い月が存在するそうです!(黒い月、元厨二病としては心がウキウキする言葉です)


マイケル・ブラウンの著書『冥王星を殺したのは私です』は占星術で日々惑星に思いを馳せている人におすすめの本。
天文学の知識なくてもめっちゃ面白いです。
 




■西洋占星術でのマケマケはどんな意味?


西洋占星術では色んな解釈がなされているようです。
太陽系創始以前の古い記憶、豊穣、などなど。

マケマケの意味を解説している海外サイトでは
「環境保護・環境問題・勇気」
というキーワードが共通しているように思います。


astrograph(DeepLによる記事翻訳)

ラパ・ヌイの創造神であるマケマケは、その発見を取り巻く環境問題を含む困難な地球の時代にまったくふさわしく、環境賢者とのつながりを象徴している。
というのも、ヨーロッパ人がイースター島として知られるようになった島を発見したとき、ラパ・ヌイ族は、伐採されたり病気で失われたりして、木が完全に失われた島に住んでいた。

自然界への愛と配慮、地球環境を守ることに関連している。このアーキタイプは、同じ天文学的呼称を持ち、土着の神々と女神のパンテオンから名付けられた、カイパーベルトを旅する仲間のハウメアのアーキタイプとよく似ている。
実際、この2つの軌道周期はよく似ており、よりよく理解されているいとこの冥王星よりも少し長いだけである。


▽FA empowerment(DeepLによる翻訳)

マケマケとは、「ラパヌイ」(イースター島)の神話に登場する人類の創造神であるポリネシアの名前です。
彼は、その年の新しい「首長」を見つけるための毎年恒例の儀式と競争の主導的な神です。多くの選手が途中で命を落とすなど、この競技はかなり危険なものであったため、登録には「勇気」が求められたのは間違いない。




■自分もマケマケの意味をいろいろ考えてみた


個人的には、ラパヌイ神話が伝わるイースター島の歴史が深く影響していると考えています。
それを紐解くと、マケマケはやはり「環境破壊・犠牲」がキーワードになっているのでは?と思いました。


①環境破壊、自然保護との関わり


イースター島は5世紀頃、大勢の移民によって森林が切り開かれ、農地開拓が進みました。
加えて巨大なモアイの制作と運搬のために森林破壊が繰り返されていきます。

その結果、イースター島は作物がとれない島に。

森林伐採により移動手段となるカヌーの生産もできず、深刻な食糧不足に襲われます。
その後も、19世紀には島民の多くが奴隷狩りの被害に遭い、奴隷商人によって持ち込まれた結核や天然痘といった感染症も蔓延。
イースター島は人も森林も失い、荒れた土地とモアイだけが残る島となりました。

マケマケが発見される2005年は、こんなできごとがありました。

知床半島の世界自然遺産登録
・京都議定書発効(6種の温室効果ガス排出削減に関する国際的取り決め)
・愛・地球博の開催
・スマトラ島沖地震
・パキスタン地震
・ハリケーン・カトリーナの被害
・アスベスト問題



文明による自然破壊、自然による文化破壊を象徴していると思ったのはこれが関係しているかな?と思ったからです。



②犠牲、富と権力

イースター島近辺には鳥人儀礼という儀式がありました。
イースター島周辺には

「創造神マケマケは海鳥マヌタラ(アジサシ)にオロンゴの岬の下にある3つの岩島を与え、そこを住居と定めた。それ以来、マヌタラは春になると、ここにやってきて、卵を産むようになった」

という神話が残っており、それにまつわる鳥人レースが伝統的な儀式として伝わっていました。

そのレースに参加できるのは戦士階級の首長だけ。
しかもサメの出る荒海を渡るなどかなり過酷なレースだったようです。

過酷さとあらゆる犠牲の上に勝者として君臨する者は政治的、経済的にさまざまな恩恵にあずかったたとのこと。

▽参考サイト


マケマケが発見された直後の2005年4月には当時のローマ法王であってヨハネ・パウロ2世が死去し、ベネディクト16世がローマ法王になっています。

占星術におけるマケマケとの関連があるかはよくよく検証するべきです。

しかし、ヨーロッパ文化の支柱となるキリスト教の頂が入れ替わったことはかなり象徴的なできごとのため注目するべきできごとかなと思います。



■マケマケをホロスコープで出すには?




Astrodienstの場合


1.astrodienstの「無料ホロスコープ」から「占いの図と計算」を選択



2.拡張チャートを選択


3.追加オブジェクトに手動入力で「136472」と入力




astroseekの場合


astroseek asteroid」で検索する方が早いかも。
色んなチャート出せるのでおすすめ。


よき西洋占星術ライフを!

月と銀鳥でした。ほな!

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