精巣捻転を予測するTWISTスコアについて調べてみた

精巣捻転疑いで泌尿器科にコンサルトした症例を経験した。研修医の先生がTWISTスコアをつけてくれていた。診断性能について調べて下記のようにフィードバックした。

「一緒に診ていただきありがとうございました。
TWISTスコアは簡単に点数を付けられるため臨床で適用しやすいと感じました。

一方、今回の方は腫脹のみで2点であり、引用してくれた開発論文(Barbosa et al)では陰性的中率100%とのことで本来エコーを省略できるグループですが、エコーで血流が乗らず泌尿器Dr診察でも捻転疑いとなりましたね。
一因として開発論文(Barbosa et al)では泌尿器科医がTWISTスコアを評価していたことが挙げられます。

ERのセッティングで非泌尿器科医によるTWISTスコアの性能を評価した研究(Sheth et al, J Urol. 2016 Jun;195(6):1870-6.)ではTIWST 2点でも捻転の人はいました。当該論文(Sheth et al)では0点をlow risk, 1-5点をintermediate risk, 6点以上を高リスクとするカットオフが提案されました。

系統的レビュー(J Urol. 2022 Jul;208(1):62-70.)ではBarbosa et al.のカットオフの方がSheth et alよりAUCが高かったですが、当然感度はShethの方が高くなります。

精巣捻転が一例でも見逃したくない緊急疾患であることを考えると、自分は今後もTWISTが1点以上あればエコーや泌尿器科コンサルトを考えるという保守的な姿勢を取りたくなると思いました。

ご指摘の通りエコーの非専門医での評価が難しく、時間とられるので、逆に高リスクのときはエコー省略してコンサルトしようと思いました。」

TWISTスコアは現在臨床でどのように活用されているだろうか?

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