廃寺に生きる鯉あり冬晴るる
通販生活のサイトに「俳句生活」という俳句が投稿できるコーナーがあります。毎月、夏井いつき先生が兼題を出され、投句された句を「天」「地」「人」「佳作」で選んでくださります。僕はここに毎月投句しています。「天」「地」の評価をもらうのは、中々厳しく、最高で「人」止まりです。
この記事では、僕が投句した句を公開して、自分なりに、評価してみます。長くなるので、ここでは、まだまだ推敲、添削の余地がある「佳作」止まりの句をまず1つ紹介します。他の句は、また追って紹介します。
水澄むや廃寺に鯉生きてあり
兼題は水澄むです。
この句は季語が良くないです。といっても兼題なので、季語は変えれないので、中下を全く別のものにするべきでした。というのも、水澄むと鯉ではつき過ぎているからです。波多野爽波は、「水温む」という季語について次のように語っています。
『三年、五年と俳句を作ってきてなお「水温む」という季題で「水」に関係あるものを詠っているのでは、些かがっかりさせられてしまう。』
耳が痛い言葉です。これを踏まえてこの句を推敲しました。ここでは兼題を無視して季語を変えます。そして季語を下句に持ってきました。推敲した句は下です
廃寺に生きる鯉あり冬晴るる
思い切って季節も変えました。澄み切った冬空のもと廃寺に生きている鯉に焦点を当てることを意識しました。僕としては、だいぶマシになったと思うのですが、いかがでしょうか。
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